目次

ボーイングの旅客機には700番台の番号?気になるその他の番号

1.ボーイングのジェット旅客機
ボーイングの誕生
1910年、材木業で成功していたドイツ系米国人、ウィリアム・ボーイングがシアトルの造船所を買い取った。1916年に水上機を完成させ、これがボーイング社(当時は別社名)の1号機となった。

ボーイングが航空機を造り始めたのは既存メーカーの製品・サービスへの不満がきっかけであった。当然ボーイング社が初めから安泰であったわけではない。ボーイング最初の近代的旅客機として1933年に初飛行したのがボーイング247であった。これはダグラスDC-3に性能、そして販売実績でも完敗であった。

戦後間もなく登場した旅客機・ボーイング377も同時代のライバル機であるロッキード・コンステレーションやダグラスDC-6等に太刀打ちできなかった。流れが変わったのはジェット機の登場以降である。

世界初のジェット旅客機はイギリスのデハビランド社が造り上げ、1949年に初飛行したコメットである。不幸にして事故が頻発したコメットは大成しない。ボーイングとダグラスが相次いでジェット旅客機を初飛行させ、後にコンベア社やロッキード社もジェット旅客機の分野に参戦した。しかしボーイング社以外の米国製ジェット旅客機は次第に淘汰されていくことになる。

2. ボーイングのジェット旅客機が、B707に始まることはご存じのとおり。ではなぜ700番台なのか、なぜ707番からスタートしたのか?

実はこれはボーイング社の、社内的なモデルナンバー(型番号)に由来している。ボーイング社が開発した飛行機の第一号は、1916年のB&Wという水上機だった。Bはボーイング社の創立者ウィリアム・ボーイングのB、Wは設計・製作の協力者だった、米海軍のコンラッド・ウェスターヴェルトの頭文字Wを意味している。

これがボーイング社のモデルナンバー1になるわけだが、当時はまだシステマティックにモデルナンバーをつける習慣がなく、また製作も数機にとどまる(B&Wは二機製作)試作に近いものだったので、特にモデルナンバーを意識はしていなかったようだ。

ボーイングが初めて販売を意識して作ったのが、六号機でこれにB‐1という機種名をつけている。メーカーとしてのボーイング社の一号機というつもりだったのだろう。モデルナンバーを意識したのは、1925年の商業用機モデル40からで、これを機会にさかのぼって過去の機体にもモデルナンバーをつけた。

開発順にB&Wをモデル1とし、そこからモデル10までつけ、そこからはなぜか15、16、21とつけて、次が40になっている。

15、16は米陸軍向け、21は海軍向けの機体だった。
モデル40以降ボーイング社では、民間機については社内のモデルナンバーをそのまま機種名とするのが原則になっている。

軍用機については、ボーイングのモデルナンバーとは別に、ユーザーである軍がその命名法に従って機種名をつけるので、一般にはその機種名のほうがよく知られていて、モデルナンバーまで知っているのはマニアくらいだろう。

とにかくボーイング40以降はモデルナンバーが整理され、その伝統が現在まで続くことになる。まずここからモデル102まで26機種が作られた(途中欠番がある)。そのうち民間機はモデル64(試作一機のみ)、モデル80、モデル95、モデル100と少ない。

当時のボーイングは戦闘機メーカーだったのだ。103から199までは翼型の設計番号とされ、飛行機のモデルナンバーは200番から再開される。モデル200が郵便機として活躍したモノメイルで200番台のブロックでは六機種の民間機が作られたが、成功したのはボーイング247だけだった。1933年に開発されたこのモデル247は、近代旅客機の時代を拓いた機体として高く評価されている。75機が作られた。

しかしこのブロックで注目すべきはモデル299で、これでボーイングは爆撃機メーカーとしての地位を確実なものにしたのだった。モデル299に陸軍がつけた機種名はB‐17であった。

モデルナンバー300番台では、車・民計六機種が作られた。モデル307がストラトライナー、モデル314が飛行艇のクリッパー、モデル377がストラトクルーザーだ。ボーイングが機種名に愛称をつけたのはこの時期だけだった。

ボーイング社のあらゆる製品には、一連のモデルナンバーがつけられており、その700番台のブロックがちょうどジェット旅客機に当たっているというわけなのだ。

ところでB707の原型機は、ダッシュ・エイティと呼ばれたモデル367‐80だ。モデル367は軍用輸送機のC‐97、これのターボジェット・バージョンとして考えられたのが、707のルーツだったのである。

367は‐76のバージョンまで作られていたので、ジェット化ということでダッシュナンバーを‐80としたもの。当然新しいジェットは700番台になるが、ボーイングとしては開発の秘密保持の目的もあって、新型ではなく367の改良型を開発中なのだとカムフラージュするため、社内ではダッシュ・エイティと呼び続けていた。

だから特に技術者たちはこの名称に愛着を抱いていて、B707がデビューしてからも、新しい機種名になかなかなじめなかったという。しかしこのジェット輸送機が完成後は、広報・販売セクションからの強い要望もあって、700番台のモデルナンバーを使うことになった。

そこでこのジェット旅客機第1号は、順番から言うとモデル700、ボーイング700と呼ばれるべきはずだった。しかしボーイング社は広告エージェンシーの意見も容れて、モデル707、ボーイング707と命名した。

「セブン・ハンドレッド」あるいは「セブン・オウ・オウ」よりも「セブン・オウ・セブン」のほうがどこかしら響きが良いのと、おそらくはラッキーナンバーの7がもうひとつあるほうが、縁起がいいと考えたのだろう、ということになっている。

これ以後7いくつ7という機種名が、727、737、747、757、767と続き、最新鋭機が777トリプル・セブンになったわけだ。

なおこの間のモデル717が、空軍に採用され707成功の原動力ともなった軍用輸送機・空中給油機のC/KC135、モデル720が707の短・中距離用タイプB720、モデル739が空軍の電子偵察機RC‐135となっている。

したがってこれまでは、B717という旅客機は存在しなかったことになる。ところが1997年夏にボーイング社とマクダネルダグラス社が合併した結果、新たにB717が誕生することになった


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