目次

ファーストクラスはゴージャスな設備だけどメジャーキャリアのみ

1.最高峰のクラスにふさわしいゴージャスな設備とサービス
各社の誇るサービスの粋を集めたファーストクラス。そこはごく限られた乗客のための特別な空間だ。
1990年代以降、ファーストクラスの設定をなくし、ビジネスクラスのサービスをレベルアップする航空会社が増えたため、現在、国際線の長距離路線でファーストクラスを設定しているのは、世界に名だたるメジャーキャリアのみとなった。

日本発では、JALとANAをはじめ、北米系がユナイテッド航空とアメリカン航空、ヨーロッパ系がブリティッシュ・エアウェイズ、ルフトハンザドイツ航空、エールフランス航空、スイスインターナショナルエアラインズ、そしてアジア系がシンガポール航空、タイ国際航空、キャセイパシフィック航空、チャイナエアラインなどが、一部の便または全便に設定。さらにエミレーツ航空とエティハド航空の中東系も、一部を除いてファーストを設けている。トレンドは、プライバシーをより重視した個の空間となっていること。シンガポール航空(A380)やエミレーツ航空などは扉付きの個室仕様のシートを用意した。

こうした最高峰のプロダクトもさることながら、ファーストクラスのサービスの真髄は、プライベートジェットで旅するように、思いのままに機内の時間を過ごせる快適さにある。満席でも一般的に乗客十数名程度の客室に客室乗務員が2~3名配置され、きわめてパーソナルなサービスを提供してくれるのである。食事の時間も、メニューの組み合わせも自由自在。ワインやシャンパンも通をうならせるほどの銘柄が揃っている。

加えて、リムジンによる送迎サービス(一部の航空会社が実施)や高級ホテルのサロンのような雰囲気をたたえた専用ラウンジなど、地上でも特別なサービスが待っている。


2.ソロ仕様、フルフラットは当たり前
個室化の一方で、コミュニケーション重視型も

1990年代半ば以降、長距離路線のファーストクラスのシートは順次、フルフラット化(巡航時、床に対して180度水平なポジションになる)、ソロシート化(独立型で、シェル型のパーティションによってプライベート感を高める)が図られた。今や長距離路線のファーストクラスの大半に、ソロ仕様のフルフラットシートが搭載されている。

ソロシートがさらに進化したのが、シンガポール航空のエアバスA380や、エミレーツ航空のA380や一部のボーイング777シリーズなどに導入されている個室タイプのシートだ。天丼こそオープンだが、扉を閉めるとほぼ完壁なプライベート空間となる。機内が唯一の私的な場所というVIPたちには、個室シートが貴重なくつろぎの場といえるかもしれない。

ちなみにシンガポール航空はA380にリクライニング・タイプではない、完全な独立タイプのベッドを採用。また中央部の2席のソロシートが並ぶところは、パーティションを下ろすとダブルベッド仕様になる。

最新のファーストクラスのシートは、きわめて多機能。シート内蔵のマッサージ機能もその一つで、なかでもエミレーツ航空のA380や一部の777シリーズのマッサージ機能には驚かされる。揉んでくれる部位、マッサージの種類、強弱やインターバルなどが、手元のコントローラーのタッチパネルから自由に選べ、リラクゼーション効果は満点だ。

ファーストクラスに扉付きの個室シートを採用する航空会社は少しずつだが増えている。ただ一方では、JALの「JALスイート」(777-300ER)やルフトハンザドイツ航空のA3のように、乗客のプライバシーは保ちつつ、あえて扉は設けず、適度な開放感と最上位クラスならではのフェイス・トゥ・フェイスのサービスを重んじる航空会社も少なくないようだ。JALが北米線の一部やジャカルタ線に導入している「JALスイート」は、パーティションの高さが124cm。「クルーと目が合わせやすい高さに設定した」という。



3.自由自在にアレンジできるサービス
アラカルトメニューも充実へ

ファーストクラスの機内食といえば、ローストビーフのかたまりをワゴンに載せ、乗客の目の前で切り分けて提供する、といったサービスをイメージする人がいるかもしれない。たしかにそのようなサービスが展開されたことはあったし、日本の航空会社では寿司職人が搭乗して好みの寿司を握ってくれるサービスが行われていたこともある。

だが、過度にゴージャスともいえる、その種の凝ったサービスは徐々に姿を消した。もちろん、キャビア&シャンパンやブランド牛のステーキ、ロブスター・テルミドールといったメニューは現在でも定番の一つだし、高級ホテルのレストラン顔負けの洋食のフルコースや懐石料理のコースなどを用意する航空会社は多い。料理の種類も多く、長距離路線では和洋含めて4~5種類程度のフルコースメニューを揃えるのが一般的だ。
ただ最近は、よりフレキシブルなサービスが増えている。コンセプトは「好きなものを、好きなときに、好きなだけ」提供するというもの。

シャンパンやワインとともにアミューズ(お通し)や前菜をゆっくり楽しんだ後、コースとは別に用意されたアラカルトメニューから好みの料理を選んだり、前菜は洋食・メインは和食というように料理を自由に組み合わせたり、サラダとチーズの盛り合わせ、フルーツだけで軽めに済ませたりといった具合だ。ヘルシー志向の高まりや、機内での時間を主に休養にあてたいと考えるVIPのニーズにかなうスタイルといえよう。そのため例えばJALやANAでは、コース料理に加えてアラカルトメニュー(単品メニュー)の充実にも努め、乗客の多様な要望に応えている。

飲み物も最高峰クラスらしいラインナップ。高級シャンパンの代名詞といえる「ドンペリ(ドン・ペリニヨン)」と「クリュッグ」の両方を常備するシンガポール航空、その希少価値から幻のシャンバンと呼ばれる、フランス・サロン社のシャンバンを世界の空で唯一サービスするJAL(欧米路線の一部で提供)などはその代表である。




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