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ドーハ3分の1の面積があるカタールマハド空港を徹底解説

マハド国際空港
1.2本の平行滑走路を有する巨大新空港
ドーハ国際空港は、コンパクトなドーハの中心部から程近い街の東側に位置するが、そのさらに東側湾岸部に現在建設中なのが、カタール航空の新拠点、ハマド国際空港(HIA)である。

敷地の60%がアラビア湾の埋め立て地から成り、総面積22平方キロメートルは、なんとドーハ市全体の3分の1にも匹敵する。
それぞれが1キロ離れた平行滑走路の長さは4850mと4250mで、カタール航空が来春に初号機受領を予定するA380での利用をあらかじめ想定した設計。最高で年間36万機が離着陸でき、その処理能力は現空港の約2.5倍にアップグレードされるという。

新旅客ターミナルは60万平方メートル。現状で2015年に予定されるフルオープン後は、年間で最高5000万人が利用でき、毎時間8700人の乗客を処理する能力を持つ巨大施設となる。総工費は150.5億米ドルとこちらも規格外だ。

2.機能性、デザイン性ともに大幅にアップグレード
新空港は2013年10月末時点で、ターミナルビル側のゲート施設と、サテライト側とつなぐコンコース部分が、ほぼ完成していた。

帆船をイメージしたというユニークな形の王族専用ターミナルを横目に、植樹されたヤシの木などの緑や噴水に囲まれた入り組んだ人工の湾を、きれいな舗装道で上がっていくと、波打つ天丼が特徴的な銀色に輝く旅客ターミナルが見えてくる。その前には駐車場やミナレット(光塔)を携えたイスラム教のモスクが並ぶ。

広大な旅客ターミナルは、チェックインカウンターエリアから、セキュリティチェック、各ゲートヘの起点となるホールと、いずれも採光ガラスがふんだんに使われ、明るく近代的な印象だ。
サインも大きくてわかりやすく、英語と並ぶアラビア語表示や、館内に忽然と現れるヤシの木などがなければ、欧米に出来た新空港かと思うようなスタイリッシュなデザイン。手掛けたのはボストン・ローガン国際空港やセントレアの設計でも名高いアメリカを拠点とする国際的デザインファーム、HOKだ。

もちろん空港としての機能性も高くなった。旅客ターミナルビルは一つで、全搭乗ゲートヘワンルーフでつながっており、ドーハ到着後は現ドーハ空港でのように、トランジットエリアや到着工リアまでバスで移動する必要がなくなる。随所に動く歩道が設置され、必要があればバギーで送迎してもらえる。インターネットスペースや子供が遊べるファミリースペースも効率的に配置される。

商業施設やレストランも充実しており、80のショップ、30のカフェやレストランの入居が予定されている。
全館に広がるラウンジは16か所で、5スターにふさわしい施設とサービスを展開。
トランジットホテルは2か所で、スカッシュコートに25mプールまで完備しており、カタール航空での乗り換えが楽しみになりそうなテーマパーク並みの施設に生まれ変わることになる。


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