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国際線航空会社の設備やサービス・ビジネス、エコノミーシート特集

国際線各シート座席
1.JAL
北米線の777‐300ERに「JALスイート」
プレミアムエコノミーを幅広い路線に設定

JALが最新ブロダクトを導入しているのは、成田発の北米路線の一部とジャカルタ線に就航するボーイング777-300ER。ファーストクラス「JALスイート」をはじめ、エグゼクティブクラス(ビジネスクラス)、上級エコノミークラス「JALプレミアムエコノミー」、そしてエコノミークラスの4クラスを設定している。

「JALスイート」は、大型のシェルに包まれた空に浮かぶスイートルーム。座席配列は1-2-1(すべてソロ仕様だが、中央部はペアシートとしても利用可能)で、従来に比べてプライベート空間が約20%拡大した。
睡眠にも徹底的にこだわり、世界の航空会社の中で初めてテンピュールの寝具を採用。専用マットレスと低反発素材の大型のテンピュール枕も備え、快適な寝心地を実現した。

ビジネスクラスには、従来のシェル型シートの進化形である「JALシェルフラットネオ」を導入。これまでと同様、プライバシーを確保しつつ、より安定した姿勢で休めるよう、シートの細部にわたり改善を加えた。リクライニング角度は最大171度となり、水平なベッド感覚により近づいた。個人用モニターはクラス最大級の15.4インチである。

上級エコノミークラス「JALプレミアムエコノミー」は、座席配列が2-4-2席で、普通のエコノミークラス(3-3-3席)に比べてシートピッチが約20%広い。最大の特徴は、シェル型シートの採用である。座席は前方にスライドすることでリクライニングする。よって、前席が倒れてくるストレスがなく、プライベートな空間が確保できるのである。欧米線に加えて、シドニー線や東南アジアの主要路線等にも導入が進んでいる。

エコノミークラスのシートのポイントの1つは、クッションの代わりに伸縮性の高い中空構造を採用したハンモック式のヘッドレスト。頭の動きに自在にフィットしながら、ソフトに、かつしっかりと頭部を支えてくれ、長旅の疲れを和らげる。

このほか、2010年10月、新造機のボーイング767-300ERから導入を開始したビジネスクラスの新シート「JALスカイリクライナー」も同社の新プロダクト。プライバシーの確保、ビジネス環境(PC用電源やUSB端子、ビデオ・インプット機能など)、収納スペースの完備など、さまざまな点でビジネスパーソンのニーズに応える。また機内エンターテインメントシステム(IFE)では、最新の「MAGIC-V (マジック5)」を新たに導入した。この新プロダクトは、アジア内の短・中距離路線に順次導入される予定だ。




2.ANA
欧米線ビジネスクラスに「スタッガード」
東南アジア線にも最新シートを導入中
ANAの機内サービスのハイライトは、2010年4月より欧米線の777-300ER(新造機)に順次導入中の新プロダクトだ。ファーストクラス「ANAFIRSTSQUA RE」は、1-2-1の座席配列の個の空間。クラス最大級の23インチのタッチパネル式液晶モニターや充実の収納スペースなどにも特徴がある。

ビジネスクラスの「ANA BUSINESS STAGGERED(スタッガード)」は業界最先端のプロダクト。完全に水平のベッドになるシートを互い違い(スタッガード)に配列することで、パーソナルな空間と快適な睡眠を実現した。
乗客一人あたりのスペースは、従来比で約50%拡大。加えて、全席が通路に面するため、長距離便でもストレスが少ない。

この最新鋭機ではエコノミークラスにも新機軸が導入された。シートはバックシェル型で、座面が前方へ動くことでリクライニングする設計。さらにシートピッチは従来に比べて約7.5cm拡大し、足元にゆとりができた。スライドするヘッドレストや3段階に動くフットレスト、パソコン用電源、iPodコネクター、USB端子なども標準装備される。さまざまな旅のスタイルに対応できる、横2-3-4席の座席配列も独自性が高い。

成田・羽田~シンガポール線の一部と成田~ジャカルタ線の767-300ER (新造機)のビジネスクラスに導入されている「ANA BUSINESS CRADLE」も、同社の誇る最新シートだ。シェル型デザインで、リクライニング時にはシート全体で体をしっかり支え、ゆりかご(CRADLE)に身をゆだるような心地よさを実現した。座席配列は2-1-2席(中央はソロシート)で、シートビッチは約150cm。各座席には、4段階に調節可能なフットレストや可動式のヘッドレスト、パーソナル読書灯などを装備。

ちなみにこの機材のエコノミークラスには、先述の777-300ERと同様、バックシェル型の最新シートが搭載される。パソコン電源やIPodコネクター、USB接続端子なども全座席に装備。一方、ミールサービスは、路線やフライトの時間帯などにより、乗客のニーズにきめ細かく対応。例えばファーストクラスでは、割烹スタイの和食やハーフポーションの洋食などがアラカルトメニューで用意され、好きなときに好きな料理が頼める。またビジネスでは、長距離路線を中心に、日本の四季を映した和洋のコース料理をはじめ、料理家の栗原はるみさんなど夕食のエキスパートとのコラボレーションメニュー、多彩なアラカルト(単品)メニューなど、幅広いラインナップである。

エコノミー(上級エコノミーを含む)の有料サービス「ANA My Choice」も同社の斬新な発想。ビジネスクラスの食事や同ワイン・シャンパン・日本酒などが有料で楽しめるというものだ。空の旅をより自由に、より楽しくしてくれるサービスのオプションである。


3.エールフランス航空
2010年9月、成田~パリ線にデビュー
ビジネスクラスは2階に全80席エールフランス航空は、2010年9月より成田~パリ線の1便にA380を導入した。
同社のA380は3クラスで構成される。メインデッキ最前方にはファーストクラス「ラ・プルミエール」を、1-1-1-1の座席配列(中央の2席はペアシートにもなる)でゆったりと配置。座席数は全9席で、贅沢なプライベートラウンジの趣がある。休むときは、シートが長さ2mのフラットなベッドになり、マットレスや羽毛布団、枕などが用意される。

ビジネスクラス「アフェール」は、アッパーデッキ前方の2つの客室に全80席を設定。座席配列は2-2-2で、すべてが窓側または通路側となりプライベート感が高い。シェルタイプのフラットシートは、休むときに全長2m、幅61cmのベッドになる。PC用電源やパーソナル衛星電話、光ファイバー読書灯、広い手荷物収納スペースなども装備。

ファーストクラスの後方およびアッパーデッキの後方には、エコノミークラス「ボヤジャー」がある。メインデッキは3-4-3の座席配列で343席、アッパーデッキは2-4-2の座席配列で106席(計449席)。飲み物などを自由にビックアップできる専用のブッフエ・バーも、両デッキに設けられている。

加えて、すべてのクラスでエンターテインメント機能が充実。好みのオーディオ番組やビデオ番組をUSBメモリに保存し、持ち帰ることもできる。

またすべてのキャビンに、時間帯に応じて色が変わり乗客にリラクゼーション効果をもたらす、同社オリジナルの機内照明が施されている。これも同社のA380の特徴の一つである。

ルフトハンザドイツ航空
成田~フランクフルトに世界初就航
ファーストクラスに新シート導入
ルフトハンザドイツ航空は2010年6月より、成田~フランクフルト線にA380を導入した。同社のA380の第1号機を使用し、日欧線では初のA380による運航となった。3クラス制で、2階にファーストクラス8席(座席配列は1-2-1)、およびビジネスクラス8席(同2-2-2)の上級クラスのみを設置。一方、1階はすべてエコノミークラスで、座席数は420席(座席配列は3-4-3)。座席数は3クラスあわせて526席と、A380の長距離便の標準的な仕様となっている。

とりわけ注目されるのは、フルリニューアルされたファーストクラスである。すべてソロシートだが、中央の2席が並ぶ部分はペアシートとしても使える。ファーストクラスには一部の航空会社が個室シートを搭載しているが、ルフトハンザは同行者のいるケースが多いことにも配慮し、コミュニケーションを重視した客室のデザインを採用したという。シート全長は2m以上あり、就寝時にはシートが180度のフラットなベッドに変身。睡眠の専門家と共同開発したマットレスが用意され、クルーがベッドメイキングしてくれる。

シート以外にも、各乗客専用の鍵付きの大型クローク、定期便としては世界初という自動加湿空調機、ギャレーなどからの音を低減する吸音機能付きのカーテンなど、客室にはさまざまな工夫が施される。さらに、キャビンの最前方に設けられた2か所の化粧室は、広さが一般的なファーストクラスの化粧室の約5倍。室内には、洋式便器のほかに男性用トイレも設置されているのも特筆される。

大韓航空
2011年6月17日、A380が成田就航
2階席はすべてビジネスクラスに
大韓航空はA380の第1号機を5月に導入、6月17日より成田~ソウル(仁川)線のKE701/702便で商業運航を開始する。ファースト、ビジネス、エコノミーの3クラス制で、総座席数は407席。エアバス社が長距離路線のA380の標準座席数とする525席を大幅に下回り、A380を運航する航空会社の中で座席数が最も少ない。つまり、それだけ、総2階建ての広々とした機内を贅沢に使った座席配列が実現するというわけだ。

もう一つの特徴は、アッパーデッキにビジネスクラスのみを設置したこと。現在運航されている各社のA380の中で、ワンフロアすべてがビジネスクラスのレイアウトは世界初である。ビジネスクラスは2-2-2席の座席配列で全94席。
180度の完全なフラット仕様の「プレステージスリーパーシート」が導入される。シートピッチも74インチ(約188cm)と余裕のパーソナルスペースを実現した。

1階最前方の客室には、ファーストクラス「コスモスイート」を12席のみ設定。座席配列は1-1-1-1で、いずれもパーティションでプライバシーを確保した半個室のソロシートだが、中央の2席並びのところはペアシートとしても使える。ファーストクラスの後方には、全301席のエコノミークラスを設置。座席配列は、A380の1階のエコノミークラスの標準である3-4-3席だが、シートビッチはA380の同クラスの中で最大級という34インチ(約86cm)を実現。広めの足元が、機内の居住性を高めてくれる。

また機内に世界初という免税品のショーケースが設置されることも、同社のA380ならでは。総2階建て超大型機の広い空間を活かした新発想である。
なお同社のA380は成田線のほか、ソウル発の香港線やバンコク線に順次就航。2011年夏以降は、ソウル発の欧米路線へも順次導入される予定だ。


シンガポール航空
2008年5月より成田線に就航
2011年7月からはロサンゼルスヘも2007年10月、世界に先駆けてエアバスA380の商業運航を開始し、2008年5月には成田~シンガポール線にも投入したシンガポール航空。2011年7月1日からは、A380がロサンゼルス線にも導入され、シンガポール~成田~ロサンゼルスでの運航となる。これにより同社は、アジアと北米を結ぶ路線において初めてA380を運航する航空会社となる。

同社のA380は「スイート」(ファーストクラス)、ビジネスクラス、エコノミークラスの3クラス制。
「スイート」はファーストを超えるクラスとして導入された同社の誇る最高峰クラスで、1階の最前方キャビンに12席のみを設置。扉付きの個室に、業界初という独立型のベッド(フルフラット)や23インチの個人用モニターなどを装備した。中央の2つの個室をダブルベッドルームとして使うこともできる。

2階の前方のキャビンには、1-2-1の座席配列で全60席のビジネスクラスを設置。シート幅が同クラス最大級の革張りのプレミアムシートは、背もたれを前に倒すことで完全にフラットなベッドになる造りだ。すべての座席からそのまま通路に出られる点も強み。

エコノミークラスは、1階の後方客室(全311席)と2階の後方客室(全88席)に設置。1階は3-4-3、2階は2-4-2席の座席配列だ。各座席には、上下左右に調節可能なヘッドレストや3段階に調節可能なフットレストを装備。さらに10.6インチというエコノミークラス最大級の大型モニターで、最新の映画やビデオ番組、多彩なCD番組、各種ゲームなど、合わせて1000種類以上のエンターテインメント番組がオンデマンドで楽しめる。


アメリカン航空
日本路線は全便3クラス制の777
ヘッドセットは、あのBOSE社製
ソロ仕様のフルフラットシートを備えたファーストクラス「フラッグシップ・スイート」を含む3クラス編成の777‐200ERが就航。ファーストクラスのシートはほぼ90度回転し、中央の座席では同行者4人が向かい合ってミーティングなどをすることも可能だ。ビジネスクラスには、最大リクライニング角度171度のシェル型のフラットシートを搭載。シート自体が前方ヘスライドする設計もユニークだ。エコノミークラスには、6方向に調節可能な本革製のヘッドレストや個人用モニター(オンデマンド)などを装備。エコノミーのアルコール類は有料で提供される。


デルタ航空
大規模なサービス改善を推進中
ビジネスクラスには順次、水平なシート
成田空港に乗り入れる最大の外資系エアラインのため、機種の数だけキャビンの仕様も異なるが、成田発の一部に使われるボーイング777-200LRのビジネスクラスには、ヘリンボーンスタイルで配置されるフルフラットシートが装備されている。747‐400およびA330のビジネスクラスにも同様のフルフラットシートを順次導入予定だ。また747のエコノミークラスは、シート自体をスリム化してシートピッチを拡大。各座席にオンデマンドタイプの個人用モニターやUSBコネクターなどが導入される。さらに、上級エコノミークラスにあたる「エコノミーコンフォート」の導入計画も発表された。

ユナイテッド航空
ビジネスクラスにもフルフラットシート
足元広めの「エコノミープラス」も設定
北米線、アジア線ともに、全便がファーストクラスを含む3クラス制。ファーストとビジネスクラスには新シートの導入が進んでおり、ボーイング747-400は全便リニューアル済み、777‐200ERも順次改修中だ。ビジネスクラスには、全長約2mで、就寝時には完全に水平なベッドになるシェル型の新シートを搭載。前向きと後ろ向きの独自のレイアウトである。一方、エコノミークラスには、自社マイレージの上級会員などが対象の「エコノミープラス」を設定。通常のエコノミークラスに比べて足元のスペースが最大5インチ(約12cm)広い(シート自体は同じ)。


コンチネンタル航空
ビジネスクラスにフルフラットシート
機内エンターテインメントも充実
成田~ヒューストン、ニューヨーク(ニューアーク空港)線に就航するボーイング777‐200ERのビジネスクラス「ビジネスファースト」に、最新のフラットベッドシートの導入が完了した。シート全長は198cmで、最大リクライニング角度は180度。座席配列は従来と同じ2-2-2だが、中間席がないのでプライベート感が高い。各座席には、15.4インチの大型モニターやPC用電源、USBコネクターなども装備。自分のiPodを接続して、個人用モニターで楽しむことも可能だ。機内エンターテインメントも、映画250本、ビデオ番組350本、音楽3000曲など、世界屈指の充実ぶりである

エア・カナダ
ビジネスクラスにフルフラットシート
エンターテインメントは全座席オンデマンド
成田発のカナダ3路線(バンクーバー、卜ロント、カルガリー)のビジネスクラス「エグゼクティブ・ファースト」は、全便フルフラットシートを搭載。通路を挟み、斜め前方を向いて準個室タイプのシートが並ぶヘリンボーン型のレイアウトを採用している。就寝時には180度水平のベッドになるのが特徴だ。一方、エコノミークラスは機材を問わず全座席に個人用モニターを設置。
各番組はオンデマンドで自由自在に視聴できる。北米系エアラインの中では、日本語を話す客室乗務員が比較的多いこともメリットだ。


ブリテイッシュ・エアウェイズ
フルフラットシートの先駆者
ファーストに新プロダクト導入中日本路線はファーストクラス、上級エコノミークラスにあたる「ワールド・トラベラー・プラス」を含む4クラス制で運航。ビジネスクラス「クラブ・ワールド」には、次世代型のフルフラットシートを導入。またファーストクラスには、高級車のシートメーカーとコラボした最新シートを順次導入中。個室仕様とフルフラットを踏襲した上、肩まわりのスペースを大幅に拡大し、居住性を一段と高めた。窓側席に設けられた電動式の大きなブラインドも、同社のファーストならではの新機軸である。


スイスインターナショナルエアラインズ
ビジネスクラスに最先端シート導入
機内食は三団清三シェフのメニューも日本路線はファーストクラスを含む3クラス制のA340-300で運航。ファーストは1-2-1席の座席配列で8席のみを設定。高級ホテルのサロンのような上質な空間である。ビジネスクラスには、準個室仕様で完全に水平なベッドになる全長約2mの新シートが登場した。横1-2-1席と2-2-1席の列を交互に配する新レイアウトで、プライバシーを守り、旅行者の多様なニーズに応える。また日本発便の上級クラスの機内食では、あの三國清三氏がプロデュースする本格フレンチのコース料理が選べる。


フィンランド航空
最新のA330のビジネスクラスには「スタッガード」タイプの新シート
成田、関西、中部から、北ヨーロッパの玄関口であるヘルシンキヘの直行便をそれぞれ毎日運航する。エアバスA330の一部の機材には、完全に水平になるまでリクライニングするフルフラットシートが導入されている。座席配列は、横2-2-1席と横1-2-1席が交互に並ぶ「スタッガード」タイプで、よりプライバシーの高い空間になった。
他方、エコノミークラスには、ポルシェの座席で知られるレカ国社製の高機能シートを採用。全座席に個人用モニターが装備され、多彩なプログラムをオンデマンドで楽しめる。ちなみにヘルシンキ・バンター空港の専用ラウンジには、本格的なサウナを完備しているのも特徴だ。


アエロフロートロシア航空
ビジネスクラスにシェル型シート
エコノミーでワインの無料提供開始
日本線はビジネスとエコノミーの2クラス制の767‐300ERで運航される。2010年の冬スケジュールまではA330-200/300が投入されていたが、2011年5月現在では767‐300ERに機種変更された。
767のビジネスクラスにはシートビッチ147cm、最大リクライニング角166度のシェル型シートが装備されている。個人用モニターはないので、映画などのエンターテインメントはパーソナルメディアプレーヤーの貸し出しで楽しむ。モスクワ・シェレメチェヴォ空港では新しくて便利なターミナルD発着だ。また、エコノミークラスでは、ワインの無料提供サービスも始まっている。


アリタリアイタリア航空
777のビジネスは余裕の2―2―2
イタリアン中心の機内食も自慢
成田線、関西線ともに2クラス制の777-200ERで運航。ビジネスクラス「マニフィカ」は横2-2-2席のゆったり配列。機内食は本格的なイタリアンのフルコースが楽しめる。マニフィカでは、イタリアのさまざまな郷土料理を紹介するメニューを展開し、グローバル・トラベラー誌の「ベスト・エアライン・キュイジーヌ賞」も受賞した。エコノミークラス「クラシカ」も個人用モニターのほか、ヘッドレストやフットレストがついていて、イタリアまでの長旅も快適にサポートする。


ヴァージンアトランティック航空
自他共に認めるサービスのパイオニア
2004年にフルフラットシート導入
常に業界をあっと驚かせるようなサービスを導入してくるのが、リチャード・プランソン氏が創業したヴァージンアトランティック航空だ。日本線は、成田~ロンドン線をプレミアムエコノミーを含めた3クラス制のA340-600でデイリー運航するほか、成田空港には自社ラウンジを持つ。今や新しいビジネスクラスのひとつの定番となりつつあるヘリンボーンスタイルのビジネスクラスは、ヴァージンが世界で最初に導入したものだ。同クラスには本格的なバーカウンターもある。


オーストリア航空
クオリティの高いミールサービス
ビジネスクラスにはプロのシェフが乗務
日本線にはウィーンから成田に2クラス制のボーイング777‐200ERが就航する。ビジネスクラスは全長が約2mまで伸長するシェル型のライフラットシートを装備し、落ち着いた機内インテリアと相まってリラックスできる。エコノミークラスもシートピッチが約82cmと、同クラスでは広め。リクライニング角も約120度まで倒すことができる。また、機内食には定評があり、ビジネスクラスでは本物のシェフが乗務し、料理の最終仕上げなどを行う。同クラスの10種類から選べるウィーン風カフェサービスも個性的だ。

KLMオランダ航空
「ワールドビジネスクラス」に全長190cmのフラット型シート
成田と関西からアムステルダムを結ぶ。機材は747‐400と777‐200ERの2機種で、747に関しては、機体後ろ半分が貨物室のコンビ機が飛来することもある。ビジネスクラスは全長190cm、最大リクライニング角度175度のフラット型シートを搭載。搭乗時にオランダの伝統的な家をかたどったデルフトブルーのミニチュアハウスのプレゼントがあるのは個性的なサービス。エコノミークラスにはシートピッチが最大89cmと広い「エコノミー・コンフォート」の設定もある。

スカンジナビア航空
上級エコノミークラスを設定
ビジネスクラスにはフラット型シート
デンマークのコベンハーゲンからデイリーで成田に就航しているスカンジナビア航空はエアバスA340-300を使用。このA340は、ビジネスクラス、上級エコノミーの「エコノミーエクストラ」、エコノミークラスの3クラス制で、「エコノミーエクストラ」は、通常のエコノミーに比べてシートピッチが約20%広い96.5cm(38インチ)だ。キャビンはデザインセンスに優れる北欧のキャリアらしく、おしゃれで洗練。機内サービスの随所にスカンジナビア・マインドを感じることができる。

アシアナ航空
成国線の一部に「スタッガード」
韓線でもホットミールのサービス
成田~ソウル(仁川)線の一部で、ビジネスクラスにスタッガードシート搭載の777‐200ERを導入。また地方都市発着便を含めて、日本路線は全便にビジネスクラスの設定がある。短距離の日韓線だが、一部の路線を除いて「トラベルクラス」と呼ばれるエコノミークラスでもホットミールを提供。飲み物もすべて無料で、アルコール類ではカクテルや「マッコリ」(韓国で人気の醸造酒)なども注文できる。機内販売では、往きの便で予約して、帰りの使で商品を受け取るサービスも実施。


チャイナエアライン
バラエティ豊かな機内食
エコノミークラスにも多機能シート
成田線の747-400 (ファーストの設定あり)を除き、日本路線は2クラス制で運航。主要機材はエアバスA330-300で、ビジネスクラスにはシェル型シートを搭載している。A330ではエコノミークラスのシートも多機能で、可動式のフットレスト(足裏マッサージ機能付き)、ヘッドレスト、エア式のランバーサポート、オンデマンド式の個人用モニターなどを各座席に装備。機内食も、ビジネスクラスに和風料理を含む3種類のチョイスを用意するなど、短距離路線ながら充実。地方空港への定期便のほか、チャーター便の運航も多い。


エバー航空
ビジネスクラスにフラット型シート
「鼎泰豊(ディンタイフォン)」のメニューも
成田、羽田、新千歳、関西線など日本発着の主要路線に2クラス制のA330‐200を導入。同型機のビジネスクラスには、シェル型でほぼ水平まで倒れるライフラットシートが搭載される。また一部の日本路線では、台湾の名店一鼎泰豊(ディンタイフォン)」の小籠包コースなどがチョイス可能。加えて、オンライン予約限定メニューもある。地上サービスも充実しており、拠点の台湾桃園空港第2ターミナルには、最新機能を備えた複数の専用ラウンジを設置する。

キャセイパシフィック航空
成田と関西線の一部にファースト設定
最新のエコノミーはシェル型シート
成田発と関西発の一部の使(747‐400、777-300ER)は、ファーストクラスを含む3クラス、その他の便は2クラス制で運航。3クラスの機材は、本来は長距離路線用で、ファーストには半個室仕様のラグジュアリーなシート、ビジネスクラスにはヘリンボー
ンスタイルの座席配列が特徴のフルフラットシートを導入している。
エコノミークラスにもバックシェル型で、座面が前方へ動く形でリクライニングする最新シートを備える。これらの機材ではPC用電源も各座席に装備。ビジネス需要の高い日本~香港線にはありがたい。


中国国際航空
長距離路線の上級クラスにはシェル型の最新シートを導入
日中線は2クラス制の小型機が中心でシートも標準的だが、中国発の長距離路線の747―400やエアバスA330などには最新プロダクトを搭載。ビジネスクラスにはほぼ水平なベッドになるシェル型シートが採用される。北京首都国際空港の専用ラウンジが充実。


中国東方航空
A330のビジネスクラスは足元広々
上海ビールや中国茶のサービスも
成田・関西~上海(浦東)や羽田~上海(虹橋)などの主要路線には、エアバスA330シリーズが就航。
ビジネスクラスは座席配列が2-2-2で、シートピッチは約147cmとゆったり。各座席にはランバーサポートなども装備される


中国南方航空
機内食は半月から1か月ごとに変更
広州~シドニー線には最新鋭のプロダクト
機内食はビジネスクラスが3種類、エコノミークラスが2種類からのチョイス。最新プロダクトは、成田や関西から乗り継ぎが便利な広州~シドニー線に導入されたA330‐300に搭載。また超大型機A380の初号機を2011年中に受領予定。


ベトナム航空
クオリティの高いミールサービス
成田線のA330の全クラスに最新プロダクト
成田線のA330の新造機のビジネスクラスに、シェル型でシートビッチ157cmのフラットシート搭載。エコノミークラスも各座席にタッチパネル式の個人用モニターを装備。女性クルーは民族衣装アオザイの制服を着用している。

タイ国際航空
タイのホスピタリティに溢れる微笑みの国らしいキャビン
日本線にはジャンボ機からエアバス機まで多彩なワイドボディ機が投入され、キャビンの仕様はそれぞれで異なるが、伝統的なワイのポーズで機内に迎えられたその瞬間から、タイを感じるのは共通だ。
A340と777の一部で導入されているビジネスクラスには、最大170度リクライニングするシェル型シートを装備。「ロイヤルシルククラス」の名の通り、シルクのようにスムーズなサービスを受けることができる。エコノミークラスは、一部の機種を除いて個人用モニターを装備する。


マレーシア航空
777のビジネスにフラット型シート
コタキナバル線には新仕様の737
クアラルンプールヘは、成田から777‐200ER、関西からA330‐300が就航。777のビジネスクラスには、シェル型でほぼ水平になるフラットシートを設置している。また成田・関西~コタキナバル線の737―800は、ボーイング社の新しいキャビンである「スカイインテリア」を採用していて、美しい曲線を描く天井、大きめのオーバーヘッドビン、LED照明などが特徴だ。エコノミークラスを含む全席に個人用モニターも装備し、AC電源やUSBポートも付いている。


フィリピン航空
成田~マニラ線に777‐300ER就航
ビジネスクラスにシェル型フラットシート
成田~マニラ線に2クラス制のボーイング777-300ERが就航。ビジネスクラスにはシェル型のライフラットシートを搭載。食事は和食を含む3コースから。同エコノミークラスは3-4-3の配列だが、全席に個人用モニターを装備する。


ガルーダインドネシア航空
エアバスA330に新プロダクト搭載
機内で入国審査の手続きが可能
成田、関西、中部発着のA330-300のビジネスクラスに、ほぼ水平のベッドになるシェル型シート搭載。エコノミーもシートピッチが約86cmと広めで、全座席に個人用モニターを装備。日本発の一部の便では機内入国審査サービスを実施。


エアインディア
最新鋭の777を投入
ビジネスクラスはシェル型シート
日本線には777-200LRと777‐300ERの最新鋭機種を投入。ともに3クラス設定で、ファーストとビジネスクラスには、リクライニング角度が180度フルフラットの最新シートが装備されている。エコノミークラスも10.6インチの個人用モニターを装備した高機能シートだ。


スリランカ航空
女性クルーは民族衣装のサリー着用
全座席に個人用モニター
日本路線はマレ経由便を含めて、2クラス制のエアバスA340-300で運航。全座席に個人用モニターが装備される。またお茶の本場だけあって、ビジネスクラスでは12種類のバラエティに富んだお茶のセレクションを用意。


カンタス航空
成田~シドニーの747‐ 400に「プレミアムエコノミー」を導入
成田~シドニー線には、747-400とA330‐200の2機種が就航している。2010年7月から投入されている747‐400には、上級エコノミークラスの「プレミアムエコノミークラス」が設定されている。ビジネスクラスは、747‐400、A330‐200とも共通でシェル(コクーン)型のライフラットシートを装着。「スカイベッド」と呼ばれシート幅は約50cm、ベッドポジション時の全長は約2mだ。成田空港にはシャワー設備もある自社ラウンジがあり、夜行使となる成田発では重宝する。


ジェットスター航空
基本的にサービスは有料のオプション
すべて込みの上級クラス「スタークラス」も
日本へ最初に乗り入れたLCC(格安航空会社)として、近年一気に知名度を上げた感のあるジェットスター航空。同社はケアンズとゴールドコーストという、日本でも人気のオーストラリアの観光地を結ぶ。
同社はLCCだけに、原則として食事や毛布などは、希望に応じて購入することになるが、上級クラスの「スタークラス」も設置されていて、こちらに搭乗すればこれらのサービスはすべて無料だ。スタークラスのシートは総革張りで、ランバーサポートやヘッドレストなども装備する。

ニュージーランド航空
ビジネス・プレミアの座席は完全フラット
ニュージーランドワインを豊富に品揃え
成田線の一部に使用される777‐200ERは、ビジネス、上級エコノミー、エコノミーの3クラス制。ビジネスクラスは「ビジネス・プレミア」と呼ばれ、ヘリンボーンスタイルのフルフラットシートが導入されている。767-300ERのビジネスクラスは「ビジネス・プレミア」とは異なり、リクライニング角の深い大型のレザーシートだ。また、上級エコノミークラスは設定されておらず、ビジネスとエコノミーの2クラス制になる。ドリンクサービスではエコノミーでも種類豊富なニュージーランドワインが無料で提供されるのは嬉しいサービス


エアタヒチヌイ
ファーストを含む3クラス制で運航
機内に入った瞬間から楽園気分
3クラス制のエアバスA340‐300が、成田からタヒチ・パベーテヘ直行。ファーストクラスは1列(2―2―2)で、座席はフルフラット仕様。ビジネスクラスは2-2-2の横6席配列で、シートピッチは140cm、最大リクライニング角度は150度。「クラスモアナ」と呼ばれるエコノミークラスは2-4-2。中央列の4席はダブルアームレストとし、隣席との間隔を広めに取っている。個人用モニターは全席に装備。搭乗の際には、乗客全員にクルーが純自のティアレ・タヒチの花を手渡してくれる。


トルコ航空
成田線に新造機の777‐300ERが就航
プレミアムエコノミーを加えた3クラス制
2011年夏スケジュールより、成田~イスタンブール線にボーイング777-300ERの新造機を導入。ビジネスクラス、上級エコノミークラスにあたる新導入の「コンフォートクラス」、エコノミークラスの3クラスで編成される。注目は、座席配列がビジネスクラスと同じ2-3-2の「コンフォートクラス」。シートピッチも116cmと広い。さらに、ビジネスクラスと「コンフォートクラス」にはプロのシェフが乗務し、街のレストランさながらのサービスを展開。

エミレーツ航空
ファーストに扉付きの個室シート
機内エンターテインメントは1200種類以上
最新鋭の機材と世界トップクラスのサービスが売り物で、成田と関西にはボーイング777-300ERが就航。3クラス制で、ファーストクラスには電動扉付きの個室仕様のフルフラットシートが搭載される。23インチの個人用モニターやライト付きの化粧鏡、電動式のミニバーなどを個室内に装備。またすべての座席にオンデマンド式の個人用モニターを備え、エコノミークラスを含めて1200種類以上の番組が自由自在に視聴できる。


機内にシャワーがあるエアライン
同社が計142機(2018年1月現在)を発注しているエアバスの総2階建て機A380のファーストクラスに乗れば、高度1万メートルの上空で熱いシャワーを使ってリフレッシュできる。 世界でも唯一というこの「機内シャワー・スパ施設」が設置されているのは、上級クラスがあるアッパーデッキ(2階席)の最前方。利用は予約制で、担当クルーが搭乗時に1人ひとりの要望を聞き、30分単位で予約を受ける。

「お客さま、お時間です」 予定の時刻になると、担当クルーが席まで知らせにきてくれる。ブースには石けんやシャンプーなど高級アメニティが用意されているほか、ドライヤーも完備。足もとは全面が床暖房になっていて、裸足でも心地いい。機内に搭載できる水量に限りがあるため、シャワーからお湯が出る時間はひとりあたり5分間と決められているが、じっさいに使ってみると5分でも十分だ。

シャワールーム専任の乗務員(CSA=シャワーサービスアテンダント)も配置されていて、ひとりの乗客がシャワーを使い終えると、そのつどバスマットやバスタオルなどが交換され る。すべてにわたって心配りが行き届いている。リフレッシュして席に戻ると、飲み物とフルーツを持ってあらわれる座席担当の客室乗務員。まさに至れり尽くせりのサービスで ある。

エティハド航空
ビジネスクラスは「スタッガード」タイプ
エコノミークラスでも和食が選べる
成田線はファーストクラスを加えた3クラス制、中部線は2クラス制で運航。ファーストクラスの座席はソロ仕様で、完全なフラットベッドになる。機内食では懐石料理のチョイスも可能。また最新のビジネスクラスには、プライバシーを確保するスタッガードタイプ(互い違いの配列)で、180度リクライニングするシートを搭載。エコノミーにも、シートピッチが最大86cmで、調節可能なヘッドレスト&フットレスト付きの多機能シートを導入。

カタール航空
777‐300ERにはフルフラットシート
ドーハ空港に上級クラス専用ターミナル
英国の調査会社のスカイトラックス社から「5つ星航空会社」の認定を受けているカタール航空。最新のプロダクトが導入されているのは777‐300ERで、成田線にも同型機が2011年夏スケジュールの一部の期間に就航する。
777のビジネスクラスには、シートピッチが約2mで、就寝時は180度のフラットベッドになる新シートを搭載。777で横2-2-2のゆとりの座席配列を実現した。拠点のドーハ国際空港には、上級クラスの専用ターミナル&ラウンジを設置。


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