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LCCはシンプルでわかりやすい料金体系だが常に割安な訳ではない

1.運賃は常に変動する
海外旅行が好きで、航空券を自分で手配して出かける人なら、国際航空券にはさまざまな種類があることを知っている。基本となるのは普通運賃予約変更や経路変更などが可能で、1年間有効。国際線の場合)だが、最近の在来大手は利用条件の異なる正規割引運賃を豊富に取り揃えている。

エコノミークラスの中にも運賃と利用条件の違うさまざまな予約クラスを細かく設定し、利用者の多様なニーズに応えることにより、できるだけ空席を減らし、便全体で最大の収益が生まれるようにしているのだ。加えて、旅行会社が販売する、ツアー用の運賃をばら売りするタイプの格安航空券も多数出回っている。どの運賃を選べばいいのか迷う人は多いはずだ。

だがLCCは一般的に運賃の種類が少なく、中には通常は1種類しか運賃の設定がない場合もある。例えばアジア最大のLCCで、羽田と関西に乗り入れるエアアジアグループは、エコノミークラスの正規運賃と上級クラスにあたる「プレミアム」運賃の2種類が基本。

時期や路線、便などにより、エコノミークラスのより割安な運賃の設定が加わるが、それでも3種類だ。上級クラスの設定がない東南アジア内路線などでは、エコノミークラスの普通運賃のみの場合も多い。ただし、普通運賃といっても在来大手とは違い、運賃自体は空席状況に応じて常に変動する。そのため、購入するのが1日違うだけで運賃が倍になるといったケースも出てくるのである。

中国の上海に本拠地を置き、茨城。高松・佐賀の日本3空港に就航する春秋航空の運賃体系もシンプルだ。同社も基本的に、普通運賃にあたる「一般クラス」運賃と割引運賃にあたる「特典クラス」運賃の2種類を用意。
便の混み具合(空席の状況)によりどちらの運賃も変動するが、基本的に種類はこの2つである。この2つの運賃は、便によっては4倍以上の料金差がつくこともある。大きな違いは利用条件で、「特典クラス」は払い戻しや変更が一切できない。これらの運賃に加えて、時期や路線、便などを限定したバーゲン型運賃が設定されることもある。


2.LCCでも常に割安なわけではない
出発直前や繁忙期は割高な傾向に
一般的にLCCの運賃は、在来大手の運賃に比べて3~4割程度、場合によっては5~7割程度割安だといわれる。だが、LCCならいつ予約しても割安な運賃が出てくるとは限らない。運賃の種類こそ少なめだが、運賃は常に変動している。出発日が近づいてくると、朝に検索した料金が昼にはもう変わっている、というケースも珍しくない。

オンライン予約が基本なので、航空会社は運賃を簡単にコントロールすることができるのである。
通常LCCは、空席の状況や時期(繁忙期や閑散期など)、曜日、過去の同様の便の空席状況のデータ、競合する他のLCCの運賃の動きなどを指標に、便ごとに細かく運賃を調整している。

あくまでも一例だが、早朝に出発する便は搭乗率が低いから1日の中で最も割安な運賃にして集客を強化する、レジャー路線は週末に混むから高めの運賃設定にしても席が埋まる、逆にビジネスパーソンの利用が多い路線は平日の朝と夕方の便を高めにして土日は割安にする、といった具合だ。要は、空席を1席でも少なくし、1便あたりの収益が最大になるよう運賃をこまめに調整しているのである。

年末年始などの繁忙期には、LCCでも多くの場合は運賃が割高になる。例えば春秋航空の茨城~上海線は、通常は最安で片道4000円から設定があるが、中国の旧正月(春節)にあたる時期は、片道2万9900円の設定があった(2012年の例)。割高な運賃でもニーズがあるから座席は埋まるというわけだ。

とはいえ、多くの場合は、空席の多い早い時期に予約すると割安で、座席が埋まってくる出発前になると割高になる。よって、予定が決まったら、通常は早めの発券がおすすめだ。迷っているうちに、運賃はどんどん値上がりするかもしれない。

3.大手と同様、安い料金ほど制約は多め
予約時に料金規定の確認を怠りなく
LCCの運賃は、既存の大手の運賃ほど種類は多くないが、複数の運賃設定がある場合は、運賃によって利用条件が異なる。これは大手でも同じだが、 一般的に割安な航空券ほど利用上の制約は多くなる。特に期間や便などを限定したキャンペーン型の激安運賃には、発券後は一切払い戻しができないケースも少なくない。

クレジットカードで決済する前に運賃規定や利用条件をしっかり確認しておきたい。予約した便は別の便や別の日付に変更できるのか、変更できるとしたら手数料はいくらで、航空券の有効期限はいつまでか、また直前になって旅行に行けなくなったときは航空券を払い戻することができるのか、その際の手数料はいくらかなどは、チェックしておきたいポイントといえる。

気をつけたいのは、特別に割安なキャンペーン型の運賃でなくても、発券後は原則として払い戻しできないケースがあることだ。変更・払い戻しが一切できない航空券は、いくら割安でもリスクがあることを心得ておきたい。ちなみに大手の正規割引運賃の中にも、特別に安いキャンペーン運賃などには、払い戻しが一切できないタイプがある。

4.各料金のメリットとデメリットを知る
料金と使いやすさのトータルバランスでニーズに最も適した航空券を選択
列車や高速バスを使って近場の日帰り観光に出かける程度の料金で、北海道や九州まで飛行機の旅ができ、国内旅行の予算で海外旅行が楽しめる。そんな時代が始まろうとしている。LCCは旅のスタイルを大きく変えるに違いない。

ただ、LCCは常に割安なわけではない。また運賃が安い分、LCC特有のデメリットも少なくない。単に運賃が安いという理由で飛びつくのではなく、メリットとデメリットを確認し納得したうえで、自分のニーズや旅のスタイルに最もふさわしい選択をすることが重要だ。

また海外発着のLCCを利用するときは、便の遅延や欠航などでスケジュールが狂った場合は次にどうするかを常に頭の片隅に置き、イレギュラーが発生した際も落ち着いて行動できるようにしておきたい。イレギュラー時にも通常はある程度のケアをしてくれる一般的な在来大手に比べて、LCCでは自分で判断しなければならない場面が多くなる。

少し極端な言い方だが、「旅にトラブルは付きもの。何か起きたらそのトラブルも含めて旅を楽しんでやろう」という気持ちでいるといいのかもしれない。いずれにしても、LCCのネットワークが拡大し、運賃の選択肢が増えることは、旅行者にとってうれしいことだ。


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