目次

1. LCC関係でよく使われる知っておきたい用語のリストと解説

アライアンス(航空連合)
複数の企業が連携したり共同で行動したりすること。航空業界では1997年以降、「スターアライアンス」「ワンワールド」「スカイチーム」の3つの世界的な航空連合が誕生した。コードシェアによるネットワーク拡大やマイレージプログラムで提携するなどして利便性を高め、集客力を高めることが目的。従来は在来大手同士の提携だったが、2012年3月にはLCC大手のエアベルリンが「ワンワールド」に正式加盟する。

インターネット直販
航空会社が自社のウェブサイト上で、消費者に対して直接、航空券の予約・販売を行うこと。LCC、在来大手を問わず、最近はインターネット直販が増えているが、LCCは早い時期からインターネット直販に特化して航空券を販売してきた。LCCはオンライン直販でコスト削減を図るとともに、空席状況にあわせて運賃をきめ細かくコントロールし、収益の最大化を図っている。


eチケット
電子航空券のこと。搭乗者の氏名、旅程、運賃、航空券番号などの情報を電子データとしてコンピューター内に保存するシステム。チケットを受け取る手間が省け、予約の変更等にもすぐ対応できる。

ウェブチェクイン
空港のチェクインカウンターではなく、自宅やオフィスのパソコン、あるいは携帯電話やスマートフオンなどの情報端末からオンラインでチェクイン手続きを行うこと。これを済ませておくと、受託手荷物のない場合、空港や路線によっては、チェックインカウンターに立ち寄ることなく、直接保安検査場へ進むことが可能。受託手荷物がある場合も、手続きが早い。LCC、在来大手ともにこれを利用する乗客が増えているが、世界のLCCではこれが主流になっている。

エアバスA320シリーズ
1988年の初就航以来、世界の空で活躍するエアバス社の小型機シリーズ。LCCではボーィング737シリーズと並び、主力機となっている。通路がひとつで、座席配列は3―3席。モノクラスの標準座席数は164席程度だが、LCCでは180席仕様が多い。A3206のほか、A318、A319、A321がA320シリーズと呼ばれる。 

LCC
ロー・コスト・キャリアの略で、そのまま訳すと「低コスト航空会社」だが、 一般的には「格安航空会社」と訳される。独特の経営の仕組みを構築し、在来の大手航空会社の常識を破る際立った低運賃を実現する航空会社のこと。最近では、上級クラスを設けたり、マイレージサービスを用意したり、世界的なアライアンスに加盟したりと、在来大手の特徴を一部取り入れた「ハイブリッド型」と呼ばれるLCCも徐々に増えつつある。

LCCターミナル
LCCが多く就航する一部の空港に設けられた、LCC専用のターミナル。平屋建てで、搭乗橋も設置しないといったシンプルな設計でコストを削減。アジアではクアラルンプール国際空港のLCCターミナルやシンガポール・チャンギ空港のバジェットターミナルなどがある。
関西空港もLCCターミナルを建設中で、2012年下期に供用を開始する予定。

オープンスカイ
航空分野の規制を緩和すること。従来あった運賃や路線、便数などの規制を撤廃し、原則として自由化することをいう。これにより、乗客にとっての利便性が高まり、航空会社の競争力も強化されるといわれる。LCCの台頭の背景にあるのが、この「オープンスカイ」である。日本は欧米に比べて空の自由化が遅れていたが、2008年にアジア各国との間にオープンスカイ協定を結んだことで、韓国のLCCなどが続々と日本路線を開設した。また2010年には日米路線でもオープンスカイ化が図られ、2012年1月には英国との間で欧州では初となるオープンスカイ合意に至った。

オンラインチェックイン
ウェブチェックインと同じ。

オンライン予約
航空会社のウェブサイトから空席照会し、運賃を選択し、クレジットカードなどを使って航空券を購入すること。LCCはオンライン予約が基本だが、日本発の一部のLCCは旅行会社で予約・購入できたり、銀行振り込みで支払いを行ったりする。

カウントダウン型運賃制度
出発日が近づくにつれて運賃が段階的に値上がりする(つまり、早期に購入するほど割安になる)システム。多くのLCCがこの制度を導入しており、出発の前日などになると在来大手の割引運賃と同等の割高な料金でしか買えないようなケースもある。「早く買わなければ損をする」と利用者に早期購入を促すためでもある。

機内持ち込み手荷物
バッグやカメラ、傘などの機内に持ち込める手荷物のことで、航空会社や路線、座席クラスなどによって荷物の大きさや個数が決まっている。LCCごとに基準は異なるが、在来大手に比べると制約が多い。基準を超えると追加料金を支払ったり、受託手荷物として手数料を払って預け直したりする必要がある。

キャビンアテンダント
容室乗務員のこと。フライトアテンダントや、略してCAなどとも呼ばれる。エコノミークラスのみの設定が基本で、機内サービスも最小限に抑えているLCCでは、同じ機材でも大手に比べるとキャビンアテンダントの数が少なめ。

キャンペーン運賃
予約期間(発売期間)や利用期間を限定して、不定期に発売される特別に割安な運賃。バーゲン運賃やセール運賃などともいう。初就航や新路線の開設、増便などを機に発売されることが多い。最近では、ピーチ・アビエーシヨンが初就航を記念して関西~札幌・福岡線に片道250円、ジェットスター航空が新路線の開設を記念して成田からマニラ線に片道3000円の運賃を発売した。

コードシェア
2社(またはそれ以上の数の航空会社)が共同で、ひとつの便に双方の便名をつけて運航すること。自社便を運航するほどの需要が見込めない路線などでは、旅客の利便性と航空会社のコスト削減の両面で効果的な方法。現在ではアライアンスの加盟会社同士を中心に、この運航形態が定着している。また米国のジェットブルーがルフトハンザドイツ航空と、またドイツのエアベルリンがアメリカン航空とコードシェアを行うなど、LCC大手と在来大手が組むケースも増えつつある。

コールセンター
予約や問い合わせなどを受け付けている電話センター。オンライン予約が基本のLCCでは、コールセンターで予約すると手数料が必要になるケースが少なくない。また外資系のLCCの中には、日本語によるコールセンターを設けていないところもある。

コンフィギュレーション
座席のレイアウトや配列のこと。アブレストともいう。同じ機種でも航空会社によって異なる。LCCは在来大手に比べると総じて座席数が多いため、タイトな配列になっている。

座席指定
その名の通り、座席番号を指定すること。かつてLCCでは座席を指定しない自由席制のところが少なくなかったが、最近は多くのLCCで座席指定が可能。ただし、指定には手数料がかかることが多く、非常口前などの足元の広い座席は座席指定料も一般に割高。

シートビッチ
座席の前後の間隔。航空会社や機種、座席クラスなどにより異なり、在来大手の国際線のエコノミークラスでは31インチ(約79 cm)から34インチ(約86cm)が一般的。LCCではこれより狭いケースが少なくなく、29インチ(約75cm)程度のところも。飛行時間が長いと機内の快適さを大きく左右する要素になる。


自走式スポット
一般的に航空機は駐機場へまっすぐ進入し、駐機する。したがって出発時には方向転換のために専用の車両により押し出してもらう(プッシュバックしてもらう)必要がある。これに対して自走式スポットでは、航空機が駐機場を旋回するように進入し、出発時には専用車両の助けを借りず自走しながら方向転換する。LCCターミナルでは一般的な方式。専用車両導入の必要がなく、航空機の折り返し時間も短縮できるなどのメリットがある。

受託手荷物
チェックインの際に機内(貨物室)に預ける手荷物。機内持ち込みの規定のサイズや重量を超えた荷物やスポーツ用品などのことで、航空会社や路線、座席クラスなどにより無料で預けられるサイズと重量が異なる。許容量を超えると、重量に応じて超過手荷物料金が必要。一般的にLCCは在来大手に比べて制約が大きく、中には重量にかかわらず受託手荷物にはすべて手数料がかかるところもある。

スルーチェックイン
乗り継ぎが必要な旅程でも、最初の出発空港でチェックインする際に最終目的地までの搭乗券がもらえ、手荷物も最終目的地まで預けられるシステム。アライアンスに加盟する在来大手同士の乗り継ぎでは、基本的にこれができる。
一方、LCCでは、ほとんどの場合これができない。

多頻度運航
ひとつの区間に多くの便を飛ばすこと。大型機を使って少ない便数で運航するより、小型機でも頻繁に使があるほうが利用者には好都合。航空会社にとっても搭乗率を高めることができ、収益向上につながるため、これを行うケースが増えている。例えばヴァージン・オーストラリアがシドニーからメルボルン線を毎日30便(30往復)運航しているのはその代表的な例。

タラップ
航空機の乗降のために架設される可動式の階段。経費削減のために搭乗橋(パッセンジャー・ボーディング・ブリッジ)を使わないことの多いLCCでは、よく利用される。

ターンアラウンドタイム
航空機が空港に到着してから出発するまでの時間。 一般的にLCCは在来大手よりこの時間が短い。空港に留まる時間をできるだけ短縮し、機材をフル稼働させることで、運航の効率を上げ、収益アップを図りたいと考えているからだ。


単一機種
ひとつの機種だけを保有し、運航すること。LCCではこれが多い。機種がひとつなら、機材の整備や乗務員の訓練などのコストと時間が節約でき、効率がよいからだ。2012年に相次いで運航を始める日本のLCC3社は、いずれも保有機材をエアバスA320に統一している。

第2 ・第3空港
世界の大都市には複数の空港があり、在来大手の長距離国際線が多数乗り入れる拠点空港のほかにも、例えば国内線が中心の空港、LCCが中心の空港、ビジネスジェットが中心の空港など、役割の異なる空港が共存している。世界では、LCCが着陸料の割安な第2 ・第3空港を発着することが少なくない。

デューティーフリー
機内の免税品販売サービス。国際線では付帯収入を得る日的もあって多くのLCCがこれを行っている。飛行時間の短い路線が多いので、在来大手の長距離路線ほどアイテムは多くないが、オリジナルアイテムを用意しているLCCも少なくない。

トランジット
24時間以内に空港で乗り継ぐことをいう。これに対して、24時間以上滞在するのは「ストップオーバー(途中降機)」。24時間を境に空港税の扱いなども変わる。

ナローボディ機
通路がひとつの小型機。LCCで定番となっているエアバスA320シリーズやボーイング737シリーズなどはこれである。他方、通路がふたつある中・大型機は「ワイドボディ機」という。

ネットワークキャリア
拠点となる空港から豊富なネットワークを展開する航空会社。かつ、長距離国際線に就航し、複数のサービスクラスを設け、フルサービス(無料の食事や飲み物、エンターティメントなど)を提供する航空会社を意味する。多くの場合、世界的なアライアンスに加盟していることも特徴。

燃油サーチャージ
航空券を購入する際、運賃に上乗せして一律に課金される付加運賃。
燃油付加運賃ともいう。燃油価格の急騰により2005年ごろから国際線で徴収が始まった。燃油価格が変動すると燃油サーチャージも変動し、一定の額を下回ると微収されなくなる。航空会社や路線等により額は異なる。LCCでも多くの場合、これが徴収されるが、在来大手に比べると割安なことが多く、中には燃油サーチャージ自体を設定していないLCCや路線もある。

ノーショー
予約しておいて、キャンセルの連絡をしないまま、搭乗しないこと。
逆に予約をしないまま直接空港へ行き、その場で予約・発券して搭乗することを「ゴーショー」という。

ノンフリルサービス
LCCで一般的な、必要最小限のシンプルなサービスのこと。フリルとは、もともと洋服の袖口やすそなどに付けられるひだ飾りのこと。
つまり、飾りのないサービスという意味で、LCCの簡素なサービスの代名詞として使われることが多い。基本的に何でも無料で提供する在来大手のサービスは「フルサービス」と呼ばれる。

ハイデンシティ
高密度という意味で、航空業界では、シートピッチを詰め、座席配列を増やし、全席をエコノミークラスにするなどして、同じ機種でも座席数を最大級とした、LCCでは一般的な客室空間。

ハブ・アンド・スポーク
航空会社が、本拠地とする大都市の空港を基点に、周辺の地方都市などへ放射線状にネットワークを展開するスタイル。A地点からB地点へ飛ぶには、通常はハブで乗り継ぐ。米国の在来大手のネットワークはその典型とされる。路線展開の形が、自転車の車輪の中心部(ハブ)、およびそこから外縁部(リム)へ放射線状に伸びるスポークの形状に似ていることから、ハブ・アンド・スポークと呼ばれる。

バルクヘッド
客室の隔壁(仕切り板)のこと。客室の最前列で前が壁の座席はバルクヘッド席ともいう。足元が広いため人気があるが、多くのLCCはこの座席をプレミア席として、座席指定の際に他の座席よりも割高な手数料を徴収する傾向にある。


フィンガーコンコース
指の形に似た、屋根付きの搭乗用通路。 一般的にターミナルビルから駐機場に張り出して設置される。ここを通ると、上下移動することなく、平面移動だけで飛行機の乗り降りが可能。バスによる送迎の必要もなく、雨が降ってもほとんど濡れずに乗降できる。クアラルンプール国際空港のLCCターミナルなどにも設けられている。日本では県営名古屋空港が初めて導入した。

フェア
運賃のこと。 一般的に航空会社の個人用の運賃は、普通運賃をベースに、これにさまざまな条件を加えることで割安な料金設定とした各種の割引運賃から構成される。割引運賃にもさまざまな種類のある在来大手に対して、LCCの運賃体系はシンプル。ただし、運賃自体は空席状況などに応じて常に変動する。また運賃が割安なぶん、変更やキャンセルなどの条件は相対的に厳しく、いったん購入した運賃は、個人の都合では一切キャンセルできない(払い戻しが受けられない)LCCもある。

付帯収入
運賃以外の収入のこと。LCCの場合、具体的には、食事や飲み物などを有料で提供したり、オリジナルグッズや免税品の販売に力を入れたり、在来大手に比べて受託手荷物の制約を厳しくして手数料収入を得たりする。こうした付帯収入は、LCCにとって、収益確保のための重要な要素のひとつとなる。

プリオーダー
事前予約のこと。LCCでは航空券を予約する際などに、機内食や毛布、機内エンターティメントなどの有料サービスを予約することをいう。事前予約するとサービスの料金が割引になるLCCもある。

フルサービスエアライン
座席クラスを問わず、基本的にすべてのサービスを無料で提供する航空会社のことで、ネットワークキャリアと同じ。

変動型運賃制度
空席状況に連動して変わる運賃システム。空席が多ければ割安、空席が減るに従い運賃が上がり、満席に近づくと運賃が高騰することもある。多くのLCCがこのシステムを採用している。基本的に早期に予約するほど割安だが、出発直前になっても空席が多い場合は、バーゲン料金が出ることもある。在来大手の国際線の正規割引運賃においても、空席に応じて運賃が変動するこの運賃制度を導入するケースが増えている。

ボーイング737シリーズ
ボーイング社の小型機のベストセラーシリーズ。第1世代にあたる737ー100/200から次世代型で最新の737 ‐900ERまで、7000機以上が生産された。LCCではエアバスA320と並んで主力機となっている。

ボーディング
航空機に搭乗すること。LCCではバス連絡や、空港によっては徒歩でフィンガーコンコースを進み、タラップを利用して搭乗するケースも多い。そのためLCCでは、ゲートに到着しておく時間、ボーディング開始時間が、在来大手に比べて早めに設定される傾向がある。また自由席制のLCCでは、早めに搭乗ゲートに並ぶ人が多い。

ボーディングブリッジ
ターミナルビルの搭乗ゲートと駐機中の航空機を結び、乗客を乗降させる連絡橋。パッセンジャー・ボーディング・ブリッジ(PBB)ともいう。多くの場合、LCCの専用ターミナルでは、コスト削減のためにこれを設置していない。

ポイント・トゥ・ポイント
大都市にあるハブ空港を経由せず、A地点とB地点を直接結ぶ路線展開の形態。自社の一大拠点(ハブ)を起点に放射線状のネットワーク(ハブ・アンド・スポーク)を展開する傾向のある在来大手に対して、LCCは小型機で地方都市と地方都市を結ぶ、このポイント・トウ・ポイントの運航形態をとることが比較的多い。乗り継ぎではなく、行きたい都市ヘダイレクトに飛べることは、利用者にとっても便利。最近は在来大手も、中・小型機でポイントとポイントを直接結ぶこの運航形態を増やす傾向にある。

マイレージ
搭乗距離や搭乗回数をポイントとしてため、 一定の基準に達すると無料航空券などの特典に交換できる航空会社のサービス。現在では世界の在来大手がこぞって導入している。かつてはこのサービスを採用しない点がLCCの特徴のひとつともされたが、今では独自のマイレージサービスを導入するLCCが増えつつある。ただ、アライアンスをはじめ幅広い提携会社でポイントがたまり、特典の選択肢も多彩な在来大手のプログラムに比べると、サービス内容は見劣りがする。

メールニュース
航空会社が顧客向けに発信する電子メール。キャンペーン型のお得な運賃や新路線の開設、新しいサービスの紹介などの最新情報が載っている。LCC、在来大手とも多くの航空会社がこのサービスを導入していて、無料で登録が可能。登録しておくと、販売期間限定の激安運賃の情報もいち早くキャッチできる。

モノクラス
座席クラスが1種類だけであること。通常はエコノミークラス(日本の国内線では普通席)のみの場合をいう。在来大手の一部では、ビジネス需要が強い路線にビジネスクラスだけのモノクラス制の機材を導人するケースもある。

ラウンドトリップとワンウェイ
ラウンドトリップは「往復」、ワンウェイは「片道」。海外のLCCの航空券をオンライン予約するときも、最初にまず出発地と目的地、日付などを入力する。割安な運賃は往復利用が基本の在来大手とは違い、LCCは多くの場合、片道だけの利用でも割安なのが強み。

レガシーキャリア
歴史のある大手航空会社のこと。LCCとの対比において、フルサービスエアラインやネットワークキャリアとほぼ同じ意味で使われる。

ロー・フェア・キャリア
LCCと同じ意味で用いられる。利用者の視点からすると、運賃が安い航空会社という意味の「ロー・フェア・キャリアのほうが、特徴がわかりやすいかもしれないが、今では「LCC」という略称が定着している。

ワイドボディ機
通路がふたつある、客室の幅が広い中・大型機。在来大手の長距離路線の主流になりつつあるボーイング777 ‐300ERや最新鋭の787、エアバスの超大型機A380やA330シリーズなどはその代表格。LCCでも、エアアジアXやジェットスター航空などはワイドボディ機のエアバスA330を保有している。


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