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日本の飛行機のローカル線が熱い!空旅を楽しむ方法

1.ローカルエアラインで旅する愉しみ
ではもう日本の空旅にロマンや旅情を求めるのは無理なのだろうか?
意外に思われるかもしれないが、実はそれでもなお日本ほど空旅に恵まれた国はない。日本は北の北海道から珊瑚礁の島々を擁する沖縄まで豊かな自然に囲まれ、しかも離島が多いため生活路線も数多く存在し、それが独特の旅情を醸し出している

また、空旅に欠かせないのがその地域を飛ぶ小さな航空会社の存在だ。
国内の航空会社というと大手2社とそのグループ会社、そして新興のエアラインが数社といったイメージを持たれる方が大半かと思うが、不定期路線を含めて地域路線を主体に固定翼を運航している会社は6社もある(2013年現在)いずれも9人乗りから39人乗りまでのプロペラ機を使用しており、客室乗務員はいても1名。いない場合は緊急時の対応を搭乗前に説明するといった具合だ。

こうした小規模の航空会社は一般的にコミューター航空やリージョナル・エアライン(地域航空)と呼ばれ、大手の系列会社が運航する小型ジェット機なども含まれるが、いずれにしても小さなキャビンというのはそれだけで貸し切りに似た優越感があり、まさに空旅的空間を演出する特別な要素に満ちている。

また同時にそれは、鉄道のローカル線が有する旅情ともよく似ているように思う。その世界には乗り鉄なる言葉があり、それらの人達はひたすら全国の鉄道を乗り歩くそうだが、鉄道の場合はローカル線がその主役となる。手垢の付いた幹線だけを制覇するのならそれほど魅了されることもないのだろうが、誰も乗らないようなローカル線だからこそ惹き付けられるものがあり、そこには思わぬ人情やふれあいもあったりする。

飛行機も例えば離島空港の旅客待合室などはローカル線の駅舎に雰囲気がよく似ているし、鉄道で経験したあの感動を、非日常感漂う空の上でも味わえる。そこに空旅の面白さがあるのだろう。乗り鉄ならぬエアラインの完乗を目指す乗りピコが、今でも全国の空を乗りまくっているのだろう。

ではそんなローカル線の空旅を楽しむには、どんな路線に乗れば良いのだろうか。関東の方なら、まず手始めに調布から運航している新中央航空の伊豆諸島路線をお薦めする。
同社は大島、新島、神津島、三宅島線を運航しており、2013年4月には調布の飛行場に新ターミナルビルがオープンした。伊豆諸島へ向け離陸した機体は横浜の街や江ノ島などを眺めながら太平洋へ出る。わずか19人乗りのプロペラ機は左右の景色が両手を伸ばした距離に確かめられる小さな機体。そのため機内から眺める海はその雄大さが一層強調され、その先には「これが本当に東京」と思うような感動が待っている。

さらに航空機として面白いのが新潟?佐渡線を運航する新日本航空と、那覇から粟国、沖永良部、徳之島へ運航している第一航空のBNl2アイランダーだ。このアイランダーは2人がけの席が4列並んでいて、残る1席は機長の隣。つまりコクピットに座る。そのため機内は飛行機というよりバンのような感覚で、しかも以前イギリスで警備に使用されていた新日本航空の機体は、眺めの良いバルブウィンドウと足元までの窓が客席の一部にそのまま残されている。こうなるともはや気分は遊覧飛行。一気にローカル線の空旅にハマってしまう危険性がある。

そしてやや上級者にお薦めしたいのは、沖縄の琉球エアーコミューターが結ぶ南大東島~北大東島線。この路線の魅力はギネス級とも言える航空路の短さで、両島の空港は滑走路間の直線距離がわずか10kmほどしかない。岩礁に囲まれて港の建設が困難な両島には航空便が欠かせないのだが、こんな隠れた珍路線があるのも自然環境に富んだ日本ならではのこと。ローカル線の空旅には、今まで気づかなかった日本の魅力がまだまだたくさん詰まっている。


2.ローカルフライトの妙味
空の旅そのものを愉しむ。それは何も、海外へのフライトに限ったことではない。
たとえば東京から大阪や九州への移動で、その日のフライトルートによって座る席を決めている人がいる。福岡行きなら向かって左側に、伊丹や熊本方面へは右側にという具合に。途中、上空から富士山を眺めることを楽しみにしているからだ。眼下にきれるようになっている。せっかく海外に飛ぶなら、それらを丸ごと味わい尽くさない手はない。きらめく都会のネオンを満喫するために国内の移動は夜間フライトと決めている人も少なくない。また地方へ行けば、本土と離島や離島と離島を結ぶ路線にしか飛んでいないレアな飛行機を体験することもできる。

先日、友人であるヒコーキ好きの編集者から「ちょっと休みがとれたので、薩南諸島をめぐるアイランドホッピングをしてきた」と報告があった。その日の朝、彼はスウェーデン製のサーブ340という小さなプロペラ機で鹿児島を飛び立ち、開聞岳を眺めながら喜界島へたどり着く。

その後、奄美大島へ、沖永良部島へ、与論島へと乗り継ぎ、そこから奄美大島へリターン。奄美大島からは喜界島と徳之島を往復して、出発地点の鹿児島に夕方帰還した。いったい何日かけて?いや、そうではない。これがわずか1日の旅なのだ。小型機は低い高度を飛ぶので、島の家並みや海面をゆく船などを間近に見ながら楽しい旅だったと彼は言う。もしどれか1便でも遅れてしまったら、乗り継げなくなるのでは?そんな不安を抱く人もいるだろうが、彼は笑みを浮かべて首を振る。

「心配ないんです。このコース、1機のサーブがずっと便名を変えながら飛んでいくので」
もう一つ。沖縄県の南大東島と北大東島。那覇から350kmほど東の太平洋上にあるこの二つの離島を飛ぶ路線は「日本一距離の短い定期便」として知られている。

使用しているのはカナダ製のDHCl8というこちらも小型のプロペラ機。時刻表には「飛行時間15分」と出ているが、風向き次第ではさらに時間が短縮される日も珍しくない。私が以前、この路線を利用したときには、機内での「本日の飛行時間は3分を予定しています」という乗務員のアナウンスに思わず吹き出してしまった。

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