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飛行機の窓から眼下に広がる街の夜景は格別にキレイ

飛行機の窓の疑問を詳しく解説
眼下にきらめく色とりどりのネオンを、機内から楽しむ。国内の移動はそれを目的にわざわざ夜間フライトを選ぶ人も少なくありません。なかでも東京の夜景はダイナミックでいい。夜景の美しさに定評があるスポットは世界中にありますが、東京が一番だと言う人も意外に多いようです。

その夜景を見るポイントについて、聞いたことがあります。一番星が見え始める黄昏どきが狙い目

「東京の夜景を空から眺めるなら、一番星が見え始める黄昏どきに着陸する便を狙う」のがベストみたいです。

2.「夜景の楽しみ方」
「南風が少し強めに吹く頃合いがチャンスです。その前に雨でも降り、大気が澄み切っていればベストですね。シートはもちろん右の窓側席で、この条件が揃えばお台場や汐留、東京タワーのネオンの背後に丹沢や奥多摩の稜線が広がり、赤く染まる空に富士山が浮かび上がります。難しいのは、東京では夏場にならないとほとんど南風が吹かないこと。北風だと川崎側からのアプローチになり、景色が変わってしまいます」


3.大阪のネオンが美しい伊丹空港発着便
飛行機から見た大阪の街
「日本できれいな夜景が見られるフライトとしては、伊丹空港発着の便もおすすめですよ。到着便は大阪市内を横切るので、着陸前は左右に宝石をちりばめたような光景が広がります。」

シートは絶対に左側。着陸前の5分間ほどは、遠くに通天閣か見え、その後ライトアップされた大阪城や中ノ島、大阪駅周辺の高層ビル街、超高層の梅田スカイビル、新大阪駅などが次々に見えてきます。羽田と違って伊丹のいいところは、風向きは関係ない点。アプローチコースはどちらのランウェイを使う場合も、新大阪駅上空まではまったく同じなので、「ズレがありません」

「出発便については北向きに離陸するときだけに限定なのですが、離陸直後はどの便も行き先に関係なく大きく左旋回します。東京行きの場合、いま出発したばかりの伊丹空港を中心にぐるっと旋回するので、ひと味違った夜景が楽しめます。この場合、おすすめは翼が見える機体後方の窓側シート。いつもは邪魔に感じる翼が、夜景のなかにシルエットで浮かび上がり、何とも言えず幻想的です」


4.夜間の離着陸時に必ず客室の明かりを消す深いワケ
旅客機に乗るたびに不思議に思うのだが、夜間の離陸時と着陸時には必ず機内灯を落とし、暗くする。なぜなのだろう。離着陸にはフライト時より電力を使うとでもいうのだろうか。 はたまた夜景をより見やすくしてくれるための配慮だろうか。

じつはこの理由は、人間の目のメカニズムにある。 人の目は暗さや明るさに少しずつ慣れていくようにできている。急に真っ暗なところに入ると、目が慣れるまで、しばらく何も見えない経験は誰にでもあるだろう。 これを暗順応という。

離着陸時に機内を暗くするのは、この人間の目の性質を考慮したものなのだ。 というのも、もし夜間飛行中にトラブルが生じたら、緊急脱出をしなければならない。当然、その際は1秒の遅れでも命取りになりかねない。

ところが、明るい機内から暗闇の世界へ突然出たために、みんな暗順応を起こして脱出にとまどったりしては大変だ。そのため、もっとも事故の起こりやすい離着陸時には、あえて機内を暗くしておき、あらかじめ乗客の目をならしておくのである。

これはパイロットも同じで、夜間飛行中のコックピットの明かりは最小限にとどめ、明るい光線を浴びないように工夫されているのだ。


5.窓から見える不思議な虹の正体
日系エアラインの客室乗務員として国内外の空を飛び続けてきたFさんから先日、ちょっとロマンチックなメールが届きました。
「毎日乗務していると、ときどき飛行機の窓から真ん丸い虹の輪が見えることがありました。虹が丸いのも驚きなのですが、その輪の中に飛行機の小さい影が映って見えるんです。虹の輪の中の飛行機は私たちといっしょに同じ速度で移動しているようにも見えて、なんともいえない光景でした」さて、この不思議な虹の輪の正体は?

ブロッケン現象による光のいたずら
この虹の輪は飛行機を利用することの多い人なら、きっとご覧になったことがあるかもしれません。

これは、いわゆる「ブロッケン現象」と呼ばれるもの。飛行機に太陽の光が当たると、その光が機体を回り込んで反対側に進み、雲のスクリーンに影を映し出します。虹のように何色もの輪になるのは、周囲の水滴によって光が屈折するからだとなにかで読みました。

ところで、メールをくれたFさんは、つい最近まで現役の客室乗務員として世界の空を飛んでいました。現役時代は上空でよくこの「虹の輪」に遭遇したそうですが、最近はなかなか見るチャンスがなくなったといいます。メールには「瀬戸内海の上空あたりで見えることが多かったんですよ」と書かれ、「虹の輪が見えると、幸せになれるそうです」
だったら次のフライトでは、探してみよう。

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