目次

アメリカのダグラス軍用輸送機は優秀で日本を含めて各国が使った

1.トワーキングホースとして前線を支えた働き者たち
第二次世界大戦/太平洋戦争における軍用輸送機の勢力図は、事実上アメリカの独壇場だった。これは彼の国がその広大な国をネットワークとすべく早い時期から民間航空を発達させ、必然的に高性能な旅客機が開発され、それが後に軍用輸送機に転用されたことが理由である。

とくに1930年代初めに登場したダグラスDC2と、その性能向上型のDC-3は、優れた搭載能力、高い稼働性、運用コストの安さなど、この時代の民間輸送機の決定版というべき存在であり、第二次世界大戦の勃発後にアメリカ陸軍航空隊はすでに就役していた多くの民間DC-3を徴用すると同時に、本格的な軍用輸送機バージョンであるC-47スカイトレインを就役させることとなった。

ちなみにこの傑作輸送機に注目していたのはアメリカ陸軍航空隊にとどまらず、アメリカ海軍航空隊では「R4D」、イギリス空軍では「ダコタ」のネーミングで制式採用となった。なおダコタというニックネームは語感が良かったことから、本来はスカイトレインが愛称のC-47も含めすべてのDC-3系列に共通して使われている。

さらに民間機としてすでに導入していた諸外国にとっても、この輸送機が魅力的だったことは言うまでもなく、日本の海軍航空隊までも、太平洋戦争開戦以前に正式にライセンス生産契約を結んだ上で、エンジン他に独自の改良を加えた零式輸送機を運用した。

この機体はエンジンにオリジナルのライト・サイクロンより強力な金星を採用したことで、その飛行性能は極めて優れており、DC-3系輸送機の中では最も優秀であるとの評価もあった。またソ連空軍は供与されていたC-47の他にライセンス生産機のリスノフLi2を導入し、ソ連ならではの寒冷地に特化した装備で高い信頼性と共に運用された。

ダグラスC-47スカイトレインは極めて有効に活用された一方、前線からはより大量の輸送能力を求められたため、大戦にともない一時開発がストップしていたダグラスDC-4を軍用輸送機装備に改めた四発輸送機が登場することとなった。これがダグラスC-54スカイマスターである。四発機とあって搭載量、スピード、高々度飛行性能などすべてが向上していたC-54は、大戦中期以降にはC_47と併用され、共に傑作機として高い信頼を受けている。

またこの他にもカーチスC-45コマンドといった機体も過酷な輸送任務現場で活躍した。一方、C-46は飛行性能に優れ、C-47ではなかなか困難だったインドからヒマラヤを越えて、中国へと物資を輸送する任務における主力機となった。戦後は日本の航空自衛隊で長く使われたことでもおなじみである。
この他、輸送機として極めて重要な役割を果たした機体としては、 ドイツのユンカースJu52がある。本来は爆撃機として開発されたこの三発機は、第二次世界大戦勃発の時点で旧式だったものの、その信頼性で長きにわたって人員と物資の輸送に重宝された。

さてこの項での1位だが、これはもうダグラスC-47以外にはありえない。軍用輸送機としてはあらゆる時代を通じての歴代ナンバーワンと断言しても過言ではない。2位以下は悩むところではあるが、ここは長年にわたって現役にあったということでユンカースJu52を推したい。そして3位には近代的輸送機の代表でもあるダグラスC-54ということでいかがだろうか。
この記事を見た人は、一緒にこんな記事も読んでいます!


ページのトップへ戻る