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日本の空港の都市中心部からの距離を比べると面白い

1.市内中心部と空港の距離はどれくらい?
市内中心部と空港の距離
よく「空港は市内から何キロのところにある」といった表記がなされている。成田空港は世界でも都心から遠いことで有名だが、都心から70キロといわれる。そこで地図上を直線距離で測ってみると57キロあった。実際には57キロといっても、アクセス交通の鉄道や道路は一直線に空港に向かうわけではないので、この数字はあまり意味がない

京成上野と成田空港を結ぶ京成電鉄が69.3キロなのでこれが、キロの根拠だろうか?JRの距離でいうと東京~成田空港間は、千葉のほうを迂回しているので79.2キロになり、これでは約80キロになる。また「都心」「市内中心」をどう定義するかにもより、もし東京の中心を新宿にある都庁にするなら直線距離も62キロになる。

そこで、とりあえず公正を期すために、日本の主要空港の市内中心地からの直線距離をまとめたのが下の表である。そして市内中心の定義は、その空港名になっている県庁所在地などの中心駅、またはその空港へ向かう最もポピュラーなアクセス交通が出る駅やバスターミナルとした。

また新千歳空港なら千歳駅ではなく札幌駅から、小松空港なら小松駅ではなく金沢駅からと、常識的な感覚で表記した。ただしこれらの数字はあくまで直線距離、たとえば函館、中部、長崎、大分などでは、市内と空港の直線距離は途中に海をまたいでおり、非現実的な数字であることも記しておく。

主要空港(第一種空港、第二種空港、および国際線が発着する第三種空港など)の市内中心からの直線距離。*直線距離なので、実際はこの数字より1.5倍ほどの数字になる。たとえば、東京駅~成田空港間は直線距離で57キロだが、この間を結ぶJRでは79.2キロ、同様に関西空港は56.7キロになる。


2.国内主要都市中心地と空港との位置関係
空港名 市内中心と仮定した位置 直線距離
稚内空港 JR稚内駅 10キロ
釧路空港 JR釧路駅 16キロ
帯広空港 JR帯広駅 21キロ
旭川空港 JR旭川駅 13キロ
新千歳空港 JR札幌駅 41キロ
函館空港 JR函館駅 7キロ
青森空港 JR青森駅 11キロ
秋田空港 JR秋田駅 14キロ
山形空港 JR山形駅 18キロ
仙台空港 JR仙台駅 14キロ
福島空港 JR福島駅 59キロ
新潟空港 JR新潟駅 6キロ
成田空港 JR東京駅 57キロ
羽田空港 JR東京駅 15キロ
富山空港 JR富山駅 7キロ
小松空港 JR金沢駅 29キロ
小牧空港 JR名古屋駅 10キロ
中部空港 JR名古屋駅 35キロ
伊丹空港 JR大阪駅 11キロ
関西空港 JR大阪駅 38キロ
岡山空港 JR岡山駅 12キロ
米子空港 JR米子駅 12キロ
広島空港 広島バスセンター 43キロ
山口宇部空港 JR山口駅 33キロ
高松空港 JR高松駅 15キロ
松山空港 伊予鉄道松山市駅 5キロ
高知空港 JR高知駅 12キロ
北九州空港 JR小倉駅 15キロ
福岡空港 西鉄福岡駅 5キロ
長崎空港 JR長崎駅 19キロ
大分空港 JR大分駅 30キロ
熊本空港 熊本交通センター 17キロ
宮崎空港 JR宮崎駅 5キロ
鹿児島空港 JR鹿児島中央駅 29キロ
那覇空港 那覇バスターミナル 3キロ
3. すると日本の主要空港で市内から近いのは那覇(3キロ)、松山(5キロ、福岡(5キロ)、宮崎(5キロ)、新潟(6キロ)、函館(7キロ)、富山(7キロ)といったところが10キロ未満の数字になった。

福岡は距離的に近いうえに地下鉄でアクセスできるので、数字以上の近さがあるだろう。那覇もモノレールができたことで、アクセス優良空港としてはトップレベルだ。

またここには出てこないが、第一種空港でありながら都心から11キロの伊丹空港もやはり「近くて便利な空港」であることに間違いないだろう。これらの都市では着陸する飛行機が市内でも目にすることが多い。

逆に遠い空港は、福島(59キロ)、成田(57キロ)、広島(42キロ)、新千歳(41キロ)、関西(38キロ)、中部(35キロ)、山口宇部(33キロ)、大分(30キロ)が30キロ超の空港になった。といっても福島空港~福島間、山口宇部~山口間には空港バスはなく、福島空港の「福島」と山口宇部空港の「山口」はそれぞれ「福島県」「山口県」の空港と解釈したほうがよさそうだが。

すると、やはり成田、広島あたりが「遠い」といった思いが強い。そういう意味では新千歳空港は直下にJRの駅があり、快速列車が頻繁にあるのでそれほど遠さを感じない。また大分空港は30キロといっても直線距離の話、陸伝いにたどるとかなり遠い空港である。


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