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エコノミークラス症候群は別名で旅行者血栓症・ロングフライト血栓症

1.エコノミークラス症候群
日本から見ると地球のちょうど真裏に位置する、南米・アルゼンチン。時差も丸々12時間あり、日本の正午が現地では真夜中の12時になります。
そのアルゼンチンの首都・ブエノスアイレスを旅しました。利用したのは、中南米へのアクセスが便利なコンチネンタル航空。
ヒューストンで乗り継いでトータル24時間近い長旅でしたが、なかなか快適でした。

しかし長時間のフライトでは、気をつけなければならないこともあります。もっとも怖いのが、いわゆる「エコノミークラス症候群」。ここでは、そのエコノミークラス症候群の原因や予防法などについて解説しましょう。

2.フライト後の足のむくみに要注意
長時間のフライトでシートに同じ姿勢で座り続け、足を動かさずにいると、脚部の奥にある静脈に血のかたまり(血栓)ができることがあります。この血栓が怖いのは、飛行機を降りて歩き出したときにその一部が血流に乗って肺にとび、肺の血管を閉塞してしまうこと。これは「肺塞栓」といわれ、当初はエコノミークラスの旅客から報告されるケースが多かったため、「エコノミークラス症候群」の名前で知られるようになりました。
エコノミークラス症候群は正確には「深部静脈血栓」といい、最近は「旅行者血栓症」とか「ロングフライト血栓症」などとも呼ばれるようになっています。

ブエノスアイレスを旅した際、到着した機内で、日本からいっしょに搭乗していた乗客の中に「クツがなかなか履けない」と困っていた人がいました。ロングフライトのあとで足がむくんでしまうことはよくありますが、エコノミークラス症候群の兆候は、まずこの"足のむくみ"に表れます。
空気が乾燥した機内で、長時間じっと身動きしないでいると、水分不足と運動不足に陥ります。そのため足がむくみ、体調の悪いときなどはとくにひざ裏の静脈に血栓ができやすくなるので、注意が必要です。

3.バスや列車の乗客にも
実際、20代の若い健康な人でも、欧米路線などの長時間フライトは身体にかなりの負担がかかります。もともと体調が悪かったり、高齢の人、肥満の人などにはもっと深刻な影響が生じても不思議ではありません。
エコノミークラス症候群の症状は、血栓の詰まった場所によって異なります。もっとも多い症例が肺塞栓で、血栓が肺に詰まると呼吸不全や心肺停止の状態に。また心臓の血管で詰まると心筋梗塞、脳の血管では脳血栓などの発作を招くことになり、エコノミークラス症候群のために命を落とすケースも世界中で見られます。

エコノミークラス症候群という名前から、ビジネスクラスやファーストクラスなら大丈夫だと油断している人がいますが、上級クラスでもエコノミークラス症候群で苦しむ人はいます。また、飛行機での移動だけではありません。鉄道やバスで旅するときもしかり。長距離バスや長距離列車の乗客のほか、トラックやタクシー運転手にも同じ症例が報告されています。

4.内では水分補給と適度な運動を
2007年7月に起きた新潟県中越沖地震では、避難所で生活する人々の6人に1人がエコノミークラス症候群の兆候を示していたことが、新潟大と国立病院機構の合同チームの調査で明らかになりました。やはり長時間、狭い場所に同じ姿勢でいることを余儀なくされたことが原因です。

また、エコノミークラス症候群の症状はすぐに表れるとはかぎりません。フライトから数日経って具合が悪くなり、突然倒れたりする人もいるようです。長時間のフライトを終えたら、5日から1週間程度は注意しておく必要があります。その間に足のむくみなどの異状を感じたら、エコノミークラス症候群を疑って病院で受診されたほうがいいでしょう。
せっかくの楽しい旅行です。こうした事態を避けるためにも、機内では水分のこまめな補給と適度な運動を心がけてください。

エアライン各社のホームページでも、いくつかの注意点を解説したり、シートに着席中でもできる簡単な足の運動法などを図解入りで説明しています。



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