目次

ジェット機の事故は減っていない!発生原因や地域にある共通点

1.バミューダ協定の概要
バミューダ協定は大きく3つの内容からなっている
①指定企業が提供する輸送力等についての原則についての取り決め
②指定航空企業の行う航空業務についての取り決め
③運賃に関する原則および路線についての取り決めの3つである

① 輸送力についての取り決め(バミューダ輸送力条項)
輸送力についての規定はバミューダ輸送力条項と呼ばれ、
イ)航空業務が市場の需給に適正に対応(過剰でも過少でもなく)していること
ロ)両国企業間に路線運営上の公平かつ均等の機会を保障すること
ハ)相手国航空企業の航空業務に不当な影響を及ぼさないこと
ニ)輸送力についての具体的原則
という4つの柱からなっている

イ)の航空輸送に対して過剰でも過少でもないという基準は抽象的で、政府の政策的な裁量の入る余地が大である。ロ)については正当な理論上の合理性が述べられたものであるが、実務では航空企業間で競争力において格段に差がある場合には公平性の確保がどのようになされるかの点で国の干渉の余地があるといえる。

ハ)についても抽象的な原則規定で実効性が見えにくい。

ニ)の規定では「……その航空企業の国籍のある国と運輸の最終目的地である国との間の運輸の需要に適合する輸送力を供給することを第一次の目的にしなければならない。……第三国へ向けた、または第三国から来る国際運輸をこの付属書の特定路線上のー又は二以上の地点で積み込み、又は積みおろす権利は両国政府が同意する秩序ある発展の一般原則に従って行使されなければならず…とされている。

両締約国間の輸送需要である第3、 第4の輸送を第一次的なものとし後段に規定する以遠区間の輸送である「第5の輸送」はあくまでも二次的なものとして扱っている。本来航空輸送というものは、市場の旅客、貨物などの動きにマッチする最適なネットワークを構築してゆこうとするものであるが、ネットワークのうちのある部分を第一次的としある部分を第二次的として国の規制で細分化していくことは市場の実態に合った枠組みといえるだろうか。バミューダ協定をモデルとする2国間協定の現代的問題であるといえる。

以上で見たように、輸送力についての規定は抽象的であったり、市場の実態から離れた部分があり、その範囲においてそれぞれの国の政策的関与の中で航空企業の事業経営の自由度を制限しているものといえるこの不明確な規定から生じる問題を掲げて、英国は協定の廃棄も含めた再協議を米国に要請し結果的にはさらに制限的な協定(バミューダⅡ) を作ることとなる。

② 指定航空企業の行う航空業務についての取り決め
航空業務についての原則については14条からなる協定本文に規定されている。ここでは参入企業の指定通告や、空港施設使用料を内国民待遇すること。

使用燃料、予備部品他航空機貯蔵品について非課税にすること等公平性の確保が具体的に規定されている。航空協定における航空業務を実施する指定航空企業について、国籍条項と呼ばれる重要な問題がある。

指定航空企業がその「実質的所有および実効的支配において当事国の国民に属していることを求めている点である。これは一般的に「国籍条項」として理解されているが、必ずしも明快な基準がなく、それぞれの国における外資規制に関する国内立法によりその定めがさまざまに異なっている。

わが国では航空法によって外国資本も外国籍経営者もそれぞれ3分の1未満に抑えられている (航空法第4条,第101条)。 EUでは域外資本については50%未満とする一方で、 EU域内においては100%資本の移動を認めている(後述EU単一航空市場1997年4月1日)。

規制のないオープンスカイを標榜する米国が、外資は議決権のある株式の4分の1以下に制限し、日本やEUその他の国、地域における制限より厳しく規制している点は皮肉である。ここからも民間航空を国防の重要な一部と位置づけている米国の事情がうかがえる排他的な領空主権を認めたことの必然的な帰結として、運輸権の交換に必要な要件である「国籍条項」というものが導入されたと考えられる。

③ 運賃に関する原則および路線についての取り決め
運賃、路線については付属書に定められているが、協定本文と一体となって効力が生じている。実際の航空業務には最も重要な部分ともいえる取り決めである。

まず運賃については、国際航空運送協会(IATA)の運賃設定機構が承認され、両国政府の許可を得ることとされた(運賃についての相互承認主義)。 IATAの運賃設定機構についてはもともと国際機関による運賃や輸送力の規制を目指していた英国側の目論見が米国側の反対を押さえた形になっているが、カルテルとして問題視する米国側は民間航空委員会(CAB) が期限を定めて同IATA活動を認可する形で今日まで続けられている。

IATA自体もカルテルとの非難をかわすために普通の業界団体としての性格を強めている。 次に路線については締約国の航空企業が運営できる路線を、起点、中間地点、相手国内地点および以遠地点についてそれぞれ地名を明記し付属書(あるいは付表) に特定する形を取っている。

この付属書の変更は、両国の航空当局間で行うことができるとして条約変更などの手続きを経ない迅速性も図られている。また自国内および第三国内の地点の変更については付属書を変更しなくても、相手国の航空当局に通告するだけで実施することができるとされた。

2.バミューダ型日米航空協定 わが国は戦後サンフランシスコ講和条約に調印(1951年9月8日)、発効(1952年4月28日)した後ただちに米国との航空交渉を行い1952年8月11日に米国との航空協定に調印(交換公文により同日暫定発効、1953年9月15日発効)した。

次に英国とも1952年12月29日に調印(1953年7月31日発効)したが、いずれも英米バミューダ協定(バミューダ1)に準拠した協定である。その後55カ国、1地域とこのバミューダ協定に基づいた航空協定を結んでいる。中国とは1972年9月29日に国交正常化調印の後1974年4月20日に航空協定を締結。同時に国交断絶をした台湾とは交流協会(日本側)と亜東関係協会(台湾側)が政府に代わり航空業務に係る協定を締結している。


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