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航空便の需要は時間と曜日によって緻密に計算されており運賃まで影響する

1.便の選択要素
旅客が利用便を選択するプロセスにはいろいろな要素が絡んでいて複雑である。旅程を構成する要素には細かいものまで含めれば無数に存在するが、特に旅客の嗜好性の強いものをここに紹介する。なお、これらは業務渡航、旅行、VFRのような渡航目的や地域の違いによる強弱があり、場合によっては大きな差があるものもある。

T.O.D.またはD.O.W.
T.O.DとはTimeof Dayの略、D.O.W はDayof Weekの略であり、それぞれ時間帯波動、曜日波動のことである。需要には1日24時間を通じて波がある。国内線や短距離国際線では通常午前と午後に需要の山があり、それ以外の昼間帯は谷、また深夜から早朝にかけては需要がほとんどない。午前の山は通常出発地の地域居住者の往路需要午後の山は到着地の地域居住者の復路需要によって生み出され、2つが重なり合ってらくだのこぶのような需要カーブが描き出される。この時間帯波動の傾向は特に業務渡航需要について顕著である。

旅行需要にもこの傾向があるものの、業務渡航需要の多い時間帯は運賃が高いことが多く、旅行需要は価格弾力性が高いことから比較的運賃の低い時間帯へシフトしやすい。長距離国際線でも午前や午後に需要の山があるが、その傾向は短距離に比べて小さい。 というのも長距離国際線は旅程が長いために旅客がさまざまな不確定要素を考慮して時間的余裕を持った旅程を計画していることが多いためである。

むしろ時差と空港の運用時間の関係によっては航空会社がダイヤを設定できる範囲が自ずと決まってしまう場合があり、ダイヤが旅客にとっていわば習慣化しているケースもある。極端な例ではインドや中東の空港の長距離国際線需要のピークは深夜にあるが、欧州線やアジア線の各便の出発・到着が集中しており、旅客もそれを前提とした行動をとっているからであると考えられる。

また、曜日によっても需要に波がある。曜日波動は地域により特性が異なり、日本では通常金曜および週末が高い。しかし欧米では週末の需要が平日よりおしなべて低く、週末は滅便するケースも散見される。年間を通じては季節波動(または丹波動)がある。これも渡航目的や地域によって特性が異なる。

日本では業務渡航は夏休み期間を除く夏期全般と3月に特に高くなる。欧州では夏に長期休暇を取る習慣からこの時期業務渡航が減り、旅行目的のチャーター便の需要が増える。一般に多くの地域で3.6.9.10月は業務渡航需要が高くなる傾向があるようである。その他米国では感謝祭やクリスマス、中国では旧正月や国慶節、日本ではゴールデンウィークや盆暮れ等、VFR需要が極端に高くなる特殊日が各国に存在する。


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