成田空港へ3路線が就航
1.海外旅行のスタートはヘリ・フライトから
成田空港へのアクセスとしてちょっと変わった交通機関があるのはご存知だろうか。
成田ヘリエクスプレスエ、その名の通りヘリコプターを使った旅客便である。
早くて便利なだけではなく、豪快なパノラマも魅力的なヘリフライト。
国際線の旅を楽しむ前に、空中散歩をしながら成田に向かうのも悪くはない。
2.群馬/成田線も就航開始
130kmの距離をわずか40分成田ヘリ・エクスプレスのフライトは成田空港を利用する旅客のみが利用できるもので、2006年4月に埼玉県北部の川島ヘリポート/成田空港間を、続いて7月1日からは東京都江東区にある東京ヘリポートから成田空港までの路線をスタートさせている。どちらも予約が必要なタクシースタイルで運航されているが、これは国際空港に乗り入れるため
セキュリティの関係でそうなったもの。関係者によると両路線とも期待以上の利用率であるという。そしてその勢いに乗って、10月29日からは3路線目がスタート。同時に新機材もデビューしている。
3路線目の成田ヘリ・エクスプレスは群馬県伊勢崎市の群馬ヘリポートから運航されている。東京ヘリポートと成田間は51kmを20分で、また川島ヘリポートからは85kmを30分で結んでいるが、群馬ヘリポートから成田空港まではなんと130kmもあり、この間を40分で結ぶこととなった。ここまで距離があるとマイカーでも3時間は見ておく必要があり、都心を通過することも考えると、安全な必要時間として4時間程度は欲しくなる。それを40分で結んでしまったというのだから時間を節約したい利用者にはなんともありがたい。
この路線の運賃は大人1名7万5000円と少々高く感じるかもしれないが、自動車でも高速代とガソリン代で片道1万円近くかかることを考えると、驚くほど高いというわけでもなさそうだ。実際、就航後には期待通リコンスタントに利用者があり、先行の2路線と同様なかなか好調だという。ちなみにその他の路線の運賃は、大人1名で、東京ヘリポート/成田空港間が3万円、川島ヘリポート/成田空港間が4万円となっている。
成田ヘリ・エクスプレスは時間的な利便性以外にも奮発するだけの魅力がある。というのも、その開けた広い視界と飛行高度約500mという低高度から見る風景は、旅客機のそれと比較すると地上が手に取るような近さなのだ。特に空港到着直前に広がる成田空港のパノラマビューは、成田ヘリ・エクスプレスでなければ体験できないすばらしさで、ある利用者は「まるで映画のワンシーンの中にいるようでした」とその感想を語ってくれた。
3.VIP待遇が受けられる空港でのサービス
使用機材にも注目だ。この新路線の就航で本格的にデビューした新機材は、ユーロコプター社のECl30B4。エンジンはジェットで、847軸馬力のターボメカ社アリエル2B1、胴体全長は約11m、重さは乾燥重量で約1200kgというスペックである。また飛行性能は、巡航速度が235km/h、航続距離は約660km。定員は、パイロット1名を含め7名となる。ちなみにこの機体はまだ日本に3機しか飛んでいない。そしてこのECl30は特筆すべき視界の広さを持ち、前方右端の席は足元にまで窓が広がっているのだ。
運航面にも目を向けてみよう。
旅客機は計器飛行方式であるのに対して、こちらは有視界飛行方式で運航されるが、ダイパートヘリポートとして成田空港の近くにある佐倉ヘリポートを使用することで90%の就航率が見込めるという。よほど天候が悪くなければ運航停止にならないというわけである。ちなみに有視界飛行方式と言っても、機体、パイロットともに計器飛行ができ、その上、スカイウォッチ(簡易式の衝突防止警報装置)も装備して安全運航には万全を期している。
利用者がまるでVIP気分を味わえるのも成田ヘリ・エクスプレスの特徴だ。ヘリパットは空港東側の整備地区に近い場所にあり、通常ここは一般には立ち入れないエリアだが、その広大なランプエリアに立てるのも嬉しい経験になるだろう。
到着後もフルケアだ。乗客はスポットに横付けされた専用のワゴンに乗ってそのまま出発ターミナルまで送迎してもらうことができる。さらにその後も担当スタッフがエスコートして手荷物の手配や、両替、国際携帯電話の手配からチェックインまで、出発前に必要な手続きを全て任せてしまうことができるのだ。至れり尽くせりのサービスで気分よく海外に出発できること請け合いである。
出発旅客ばかりではない。国際線の到着客も同様のサービスを受けられる。やはり到着時間に合わせて担当スタッフが到着ロビーで出迎えてくれるが、到着時間が変更になればその時間に合わせて対応してくれ、手荷物も担当スタッフに任せることができる。こちらもまさにフルケアだ。
様々な点で斬新なサービスを提供するこの成田ヘリ・エクスプレス、詳細な情報はホームページにも掲載されているので、関心のある方はぜひ一度チェックしてみてはしい。
この記事を見た人は、一緒にこんな記事も読んでいます!