巷には「人気ランキング」とか「星○つ」 といった評価があふれでいる。会社や人や商品に順位・等級をつけるのが流行りなのだろう。素直に信じてよさそうなものもあれば、なかには胡散くさそうなものまでいろいろだ。
順位や等級で評価されるのは航空業界も例外ではない。よく知られるのが、英国の調査機関スカイトラックス社が毎年実施する「格付け」と「ワールド・エアライン・ランキング」である。
2017年6月に発表されたランキングでは、総合ベスト10の第3位にANAがランクされている。これに先立って3月に公表された「格付け」でも、ANAは世界に9社しかない「5スターエアライン」に5年連続で選出された。
何がどう評価された結果なのか?そもそも、調査はどう進められるのか?
ランキングの基準となるのは、世界中の利用者(旅行者)を対象にしたオンラインでの満足度調査だ。今回は2016年8月から約1年間調査し、エアライン325社に対する1987万件の声を集めた。格付けについては、空港や機内サービスなど800以上のカテゴリーで調査を実施し、星を付与するにふさわしいエアラインを選んでいる。
細部のカテゴリーを見ると、ANAは「世界の空港サービス部門」で5年連続6度目の、また「アジアのベスト・エアラインスタッフ」で3年連続4度目の1位を獲得。この2点について再検証してみようと、あらためて羽田の現場に出向いてみた。
まずは「空港サービス」について。じっさいに利用してみると、この評価は十分納得できる。国内線第2ターミナルがこの1、2年で大きく変わった。ターミナル中央に大規模な「スペシャル・アシスタンス・カウンター」が設置され、車椅子や手話での応対が必要な利用者を細かくケアできる態勢が整っている。車椅子も保安検査のX線装置を座ったままで通れるよう、航空会社でははじめて樹脂製のものを導入した。
一般の利用者には、自動手荷物預け機が便利だ。出発便が混み合う時間帯に到着しても、カウンターの列に並ぶことなく荷物を預けられる。従来に比べて手続きが大幅にスピードアップした。
「人気順位を上げたり、星をいただくためにやっているわけではありません」と取材したスタッフは言う。
「東京オリンピックとパラリンピックが開催される2020年に向け、いまから取り組んでいかないともう間に合わないんです。3年後には、世界中からたくさんの人たちが日本にやってきます。そのときに最高のサービスでみなさんをお迎えしたいですから」
そういう姿勢にこそ、5スターが授与されたのではないかと思う。
1位:カタール航空
2位:シンガポール航空
3位:全日空
4位:エミレーツ航空
5位:キャセイパシフィック航空
6位:エパー航空
7位:ルフトハンザ・ドイツ航空
8位:エティハド航空
9位:海南航空
10位:ガルーダ・インドネシア航空
11位:タイ国際航空
12位:ターキッシュ・エアラインズ
13位:ヴァージン・オーストラリア
14位:スイスインターナショナルエアラインズ
15位:カンタス航空
16位:日本航空
17位:オーストリア航空
18位:エールフフンス航空
19位:ニュージーランド航空
20位:アシアナ航空
21位:バンコクエアウエイズ
22位:KLMオランダ航空
23位:中国南方航空
24位:香港航空
25位:フィンエアー
26位:エアアジア
27位:香港ドラゴン航空
28位:ノルウェー・エアシャトル
29位:エア・カナダ
30位:アエロフロート・ロシア航空
31位:マレーシア航空
32位:デルタ航空
33位:ヴァージンアトランティック航空
34位:大韓航空
35位:チャイナエアライン
36位:アラスカ航空
37位:エーゲ航空
38位:エアリンガス
39位:ジェットブルー航空
40位:ブリティッシュ・エアウェイズ
41位:イージージェット
42位:イベリア航空
43位:ヴァージン・アメリカ
44位:ジェットスター航空
45位:エアアジア×
46位:エア・アスタナ
47位:ベトナム航空
48位:エチオピア航空
49位:南アフリカ航空
50位:アビアンカ航空
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