オーロラの鑑賞で有名なカナダ・ノースウエスト準州、イエローナイフ。
そこではDC-3をはじめとした博物館で見るようなアンティークで貴重な飛行機たちが現役で飛ぶのを目にすることができる。
雄大な自然と懐かしさが魅了する極北の地を散策してみた。
飛行機が支えるカナダ北極圏
空の要衝イエローナイフ空港
北緯約60度に位置するイエローナイフはカナダ・ノースウエスト準州の州都。
冬になればマイナス40度にもなる極寒の地で、オーロラベルトのほぼ真下に位置しているためオーロラの名所として知られている。元々、街は19世紀に金の鉱脈が発見されたことによるゴールド・ラッシュで発展し、近年も同市の北で見つかったダイアモンド鉱脈が街の産業を支えているという。
冬になると凍ってアイスロードになる、巨大なグレイトスレイブ湖。ビルが建ち並ぶニュータウンからなだらかなデコボコ道を下ってゆくと、その湖に突き出た半島へ出る。そこはゴールドラッシュの時代に繁栄したこの街の基盤で、現在はオールドタウンと呼ばれている閑静な場所。当時から重要な交通手段だった水上機の発着場が今もここに置かれている。
小さな街の中心から北西へ直線で約4kmのところに空港はある。滑走路は2280mの16/34と1500mのクロスランウェイ10/28の2本。オープンスポットの旅客ターミナルはRWY 16/34の東側、さらにRWY10/28に沿っては各航空会社の施設が並んでいる。旅客ターミナルは地上動線のみの小さなものだが、その内部を見る限りけっこう新しいように思える。ただそこに飾られていた昔の写真を見ると、ターミナル自体は昔の方が立派に感じられた。
ターミナルの隣にはオンタリオ州のオタワに本社を置き、イエローナイフにハブの一つを構えるファーストエアのオフィスがあり、正面のエプロンには軍用輸送機C-130の民間転用型であるL-100など、同社の機体が時折翼を休めている。そしてさらに道を進むとDC-3の旅客定期便を運航するバッファロー航空やコミューター航空のエアティンディなどがあり、これらは先ほどの旅客ターミナルではなく、それぞれが自前の旅客待合室を利用している。
バッファロー航空のハンガーに設けられた無人の小さな待合室へ入ると、その奥にオリジナルグッズを扱うショップが店を開いていた。そこにはTシャツやミニチュアモデルが所狭しと並び、「アイスパイロット」のDVDも置かれていた。アイスパイロットとは「ヒストリー」というカナダのテレビ会社が制作したバッファロー航空のドキュメンタリー番組で、冬の厳しさや実際に遭遇した機体のインシデントなど、生々しい現場のシーンが見事に描かれている。番組は現実に展開するノンフィクションのドラマが人気を呼び、既にシーズン4までを放送。
そしてこの10月からシーズン5の放送が始まっている。
さらに店内を眺めているとランプツアーがあることを教えてくれた。ツアーは平日の10時から無料で実施しているとのこと。
アイスパイロットの影響で見学者が増え、最近はこのようなツアーも始めたようだ。
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