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ステルス機はレーダーで見つからないのが利点だけど欠点もあった

1.意外に厳しい!? ステルス機の事実
ステルスは「こっそり」や「隠密」といった意味であり、航空機の世界では最新の第5世代機に必須といわれる技術の総称である。一般的にはレーダーに映らない機体というイメージがあるが、レーダーだけでなく、ミサイルなどの赤外線追尾装置からも逃れることが可能な赤外線の放射抑制や、視覚的、聴覚的な発見の可能性を下げることも含まれる。つまり、見つかりにくいこと全般のことなのである。

その中でも、レーダーに反応しないというのは、ステルスの中でも重要なポイントだが、まったく反応しないわけではなく、レーダーに反応する距離が短いのである。

本来レーダーは物体に電波を当て、その反射波を拾うシステムであるが、その電波の反射を本来反射する方向と違う方向に反射してしまえば相手のレーダーは感知することができない。また、機体がレーダー波を吸収してしまえば反射できない。現在のステルス技術は、主にこの2つの技術によって成り立っている。

このように、電波を乱反射させるためステルス機の機体形状は従来の機体とかなり違うものとなっている。この形状は飛行性能を追求するのに理想的な機体形状とは反しているため、設計の際に飛行特性とステルス性のバランスはかなり難しいものとなる。

初期のステルス機であるF-117ナイトホークや、B-2スピリットは、敵地深くへ侵攻することがその目的であり、ステルス性を優先された設計となっている。そのため、フライ・バイ・ワイヤーなどのハイテク制御技術との併用が必須である。

一方のF-22ラプターは、制空戦闘機であるため、運動性能が優先されている。また、多目的戦闘機であるF-35ライトニングⅡは、ステルス性能を持っているものの、対地攻撃など作戦によっては、ステルス性はそれほど重要視されていない。つまり、同じステルスといっても、その目的によって程度は異なるのだ。

また、ステルス性を表す値としてRCS(レーダー反射断面積)があるが、ユーロファイター・タイフーンなど、最新の機体はこのRCSを意識して設計されており、従来の機体よりもレーダーに捕捉される距離は大幅に短い。

では、ステルス機はどれくらい効果があるのか。一説にはF-22ラプターは、演習で144機の撃墜判定を出して1機の損害も出さなかった例があるといわれる。しかし、演習で撃墜判定された例もあり、絶対的というわけではない。

一方、ステルス機の欠点としては、その運用コストが高い点がある。ステルス性能の維持は非常に難しく、水滴や汚れなどでもステルス性が損なわれるという。また塗料の劣化も非常に早く、生産や維持には非常に高い技術と、十分なコストが必要とされる。
そうしたこともあり、ステルス機の配備は減少傾向にあるともいえるのだ。


2.ジェット戦闘機の進化は世代で表わされる
ジェット戦闘機は、その登場から現在に至るまで、いくつかのエポックメイキングを経て現在に至っている。それはよく「世代」という言葉で括られており、その世代ごとに合致する条件がある。

第1世代(1940年代後半‐1950年代):第二次世界大戦末期の実戦投人を経て、朝鮮戦争などで活躍した機体。この頃の戦闘機は、ジェット・エンジンや後退翼などの新機軸はあったが、実際は第二次世界大戦のレシプロ戦闘機の延長にあるものとも言え、実際にジェット戦闘機とレシプロ機双方が活躍している時代だった。代表的な機は、ドイツの技術を継承したソ連製のMiG-15とアメリカのF-86。両機の実力は伯仲していた。

第2世代(1950年代-1960年代):音速を突破した機体たち。1947年にX-1実験機が初めて音速を突破。間もなく実用機も音速を突破していく。これにはジェット・エンジンの推力が大幅に向上したことと、新たな空力の理論であるエリアルールや、より高速に適したデルタ翼の採用などに代表される機体の構造の進化があった。F-100やMiG-21はベトナム戦争での運用実績がある。

第3世代(1960年代¨1970年代):空対空ミサイルが一般的な兵器として使用され始めた時代の戦闘機。速度はマッハ2超が当たり前になりつつあり、ミサイル搭載が前提となっている。いわゆるミサイル・キャリア的な性格となる。ミサイルや爆弾の搭載量や速度を重視するあまり機体は重くなり、格闘性能を軽視する傾向が顕著で、機関砲を搭載しない機体も登場しているが、そのことが第4世代の戦闘機を生み出すことになる。F-4はベトナム戦争で北爆の主力となった。

第4世代(1970年代-1990年代):ベトナム戦争や中東戦争などの教訓は、戦闘機の機動性の必要性をあらためて認識させるものであった。そこで、機動性を重視して開発されたのがF-15イーグルなどの第4世代機である。また、性能の向上に付随して、フライ・バイ・ワイヤやグラスコクピットの採用など、ハイテクを積極的に投入する傾向もあり、 1機あたりの値段は高騰していった。

第4.5世代(1990年代‐2000年代):第4世代であるが、一部第5世代の性能も持つ機体。カナードや推力偏向ノズルなどのハード面だけでなく、高度なハイテク制御で従来にはない機動性を実現した機体も多い。ステルス性もある程度考慮されている。

第5世代(次世代):基本的にはステルス性がある機体を言う。その他高度なアビオニクス(火器管制装置)を持ち、スーパークルーズ機能を持っていることというのも条件に挙がることがあるが、すでに第4.5世代機に採用されている例があるため、絶対とは言えない。今後、その条件は変わっていく可能性もある。

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