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ボーイング777のバージョンや機種の設計に特徴がある

1.国際線の主力機777が左右非対称で設計された理由
旅客機のボディのノーズから尾翼にかけて中央に線を入れると、その右と左で同じ形をしている。当たり前だ。もし「左右非対称」だったら、バランスが悪くてまっすぐに飛ぶことができない。 しかし、なかには左右非対称に設計されている機種も存在する。JALもANAも国際線の主力機と位置づけているボーイング777だ。

同機種を見分けるポイントはズバリ、機体後方のおしりの部分。補助動力装置「APU(オグジュアリー・パワー・ユニット)」の排気口に注目するといい。他の機種と違って、777は左側のみに排気口が開いている。APUの吸気口がボディ右側の上部に設置されたため、バランスを考えて排気口を左側にという非対称型に設計された。

日本の空港では、国内線やアジア線などで運航されている標準型の777-200と、胴体を延長して航続距離を延ばした-300ERのふたつのタイプが見られる。両タイプの違いは、全体の長さを見比べてみると明らかだ。-200の60.9mに対し、-300ERは64.8mと全長が3.9mも長い。

ちなみに777-200はボディが短いぶん、中型機の767と見間違える人がいる。767も日本では経済性に優れた機種として国内の基幹路線やローカル線から国際線までオールマイティに活躍をつづけてきた。日本の航空会社が所有している767はいずれも300という長胴型のほうで、その点でもやや見分けがつきにくい。

外見の違いは、機体最後尾の形が767では丸みを帯びたデザインで設計されているほか、真横から見たときに777-200には主翼の前後に大きなドアがふたつあるのに対し、JALやANAが導入している767は主翼の付け根の上部にドアがまとまってふたつあるのも特徴的だ。


2.ボーイングの新型機777Xは主翼がなんと折り畳み式
アメリカ・シアトルのボーイング工場では、777ファミリーの次世代バージョンの開発も着々と進んでいる。そのプロジェクト名は「777X」。-9Xと-8Xのふたつのラインナップで構成し、2020年の就航をめざしている。

特徴は、炭素繊維複合材でつくる新しい主翼構造だ。翼幅は71.8mにもなり、現在の-300ERの64.8mから7mも拡大。2012年6月に初就航した次世代ジャンボ747-8に比べても3.3m大きい。これに新開発のエンジンを組み合わせることで、高い経済性を実現するという。

しかし、翼幅が拡大することで重大な問題が浮上した。各国の主要都市にある国際空港のゲートは通常、最大幅65mまでの飛行機が使用できるようになっているが、そのゲートが777Xは使えなくなる。限られた空港にしか就航できないと、エアライン各社にも買ってもらうことができない。

そこでボーイングの開発スタッフたちが考えたのが、主翼を「折り畳み式」にするという仰天プランだった。左右の主翼の先端部分をそれぞれ3.5メートルずつ上に折り曲がるようにして地上では翼幅を抑えるという構想が発表された。

それが実現すれば、どの空港の駐機スポットにも収まる。主翼を折り曲げたユニークな格好で羽根を休めるシーンが見られる。

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