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空港で航空業務や整備などの仕事をしたい人必見!

1.グランドハンドリング
空港を職場とする仕事の中で、旅客ハンドリング業務を行うグランドスタッフのように直接旅客と接する仕事が「表舞台」のグランドハンドリング業務だとしたら、旅客の目には直接触れない「舞台裏」ではあるけれど、航空機の運航に欠かせない重要な仕事のグランドハンドリング業務がたくさんある。

たとえば、機体の整備・点検を担当するメカニックや、航空機のオペレーションの要となるセクションで働くディスパッチャー、グランドハンドリングと総称される航空機の地上支援業務などである。ことにグランドハンドリング関係の仕事は非常に多岐にわたっており、航空会社独特の性格をもつ仕事の筆頭にあげられる。

グランドハンドリング業務は、「地上支援業務」「運航支援業務」とも言われている。これは航空機が到着して旅客や貨物を降ろし、次の便として新たな旅客や荷物をのせて出発するまでの間に必要な、さまざまな地上業務のことだ。それはたとえば、到荷後の機内の掃除であったり、搭載品や貨物の取り下ろしや燃料の給油であったり、出発する際の荷物や機内サービス品、機内食や水の搭載業務であったりする。
こうした作業が発着のたびに行われる。

グランドハンドリングのおもな仕事内容は、空港で旅客の荷物や貨物を搭載したり、取りおろしたり、航空機をスポットまで誘導したり、水や電力の補給など飛行機を滞りなく運航するための運航支援を行う業務のこと。旅客ハンドリングが旅客のケアを中心にしているのに対し、グランドハンドリングはまさに飛行機に直接触れる仕事なのだ。
航空機を運航する上で欠かせない仕事のため、各空港にはグランドハンドリングを行う専門の会社がある。ひとくちにグランドハンドリングの会社といっても、荷物や貨物の搭載や取りおろしのみならず、燃料補給や機内清掃、航空機整備も行っていたり、業務内容は会社によってさまざま。

協調性や判断力が求められる
グランドハンドリング業務では、飛行機1機を飛ばすために多くのスタッフが力を合わせる必要があるため、協調性が欠かせない。
また、 トラブルがあったときは現場のスタッフで考え、行動できる力量が求められる。冷静にものごとを考え、対処できる力を日頃から養っておきたい。ほかにも、入社後は作業に必要な資格を取得したり、機材によって違う作業手順やデータを覚えなければいけない。専門的な知識を身につけられる向上心も必要だ。純粋に飛行機が好きということもこの仕事につく大切なポイントだろう。

グランドハンドリングの仕事は、不規則な勤務シフトの中で悪天候と戦い、分単位で作業を行うプレッシャーは相当なもの。しかし1機の飛行機を空港で迎え、限られた時間ですべての作業を行い、また送り出す。安全かつ定時出発という緊張感は大きなやりがいにつながる仕事だ。


2.どこへ就職すればいいの?
グランドハンドリング会社へ入社
ここで紹介するグランドハンドリング業務には、航空会社に就職しなければつけない仕事と、航空会社の関連会社に就職することによってつける仕事とがある。前者は、総合職のメカニック、後者はメカニックとその他のグランドハンドリングの仕事である。つまりメカニックは、航空会社の社員として働く方法と、関連会社の社員として働くという両方の方法があるということである。

また、職種によっては、企業が雇ったアルバイトが主体となって業務をこなしている仕事もある。たとえば、機内清掃、機体清掃、貨物の積み降ろしなどがそれだ。

航空会社の社員として働く職種はたいてい総合職や一般事務職として新卒で採用され、配属される。航空会社の関連会社で行っている職種は新卒、中途の両方の採用方法がある。アルバイトを採用する場合は、アルバイト情報誌や就職情報誌を利用して募集を行っているケースが多い。

体力勝負の仕事場
最近は女性も活躍

グランドハンドリングは、ランプ(空港の制限区域内)が仕事場だ。真夏の炎天下あるいは風や雨、雪という悪天候の中での仕事なので体力勝負。そのため、これまでは男性の職業というイメージが強かったが、機械化が進んだこともあり、最近では女性の活躍もめざましい。例えば、成田空港の新東京空港事業(株)や羽田空港の国際空港事業(株)では、女性を積極的に採用している。


3. ランプコーディネーター
在、ランプコーディネーターは、航空会社の一般職か、あるいはグランドハンドリングを委託している関連企業の職員が担当している。

航空会社の場合は、通常、入社の時点において配属が決定し、一定期間の社内研修を経て、社内試験を受けることになる。

合格すると、現場においてOJT(実際に仕事をしながら研修していく)を行い、正式なランプコーディネーターとして働くことになる。

メカニックのような国家試験はないものの、社内の専門のチェックを受けるという点では、専門職といえる。
近年、ランプコーディネーターという職種を廃止する航空会社もあり、今後はその業務自体が関連企業に移されるケースが増えていく傾向にある。

まずはグランドハンドリングの関連企業に入社し、経験を積んでランプコーディネーターになるのが近道だろう。

機内清掃
航空機に乗ると、いつも機内はきれいに整理されている。当然のことのようだが、これは機内清掃のスタッフが、短時間のうちにまっさらな状態に整えているからである。

機内清掃スタッフの仕事は客室の掃除機かけ、シートカバー、まくらカバーの交換、ごみの回収、トイレの清掃、新しい備品の設置などであるが、目的地に到着後、折り返して次の使として出発する飛行機などは、わずかなプラントスティ(通常、30~60分)の間にこれらのことをこなすので、時間が勝負といわれる仕事でもある。機内清掃のみならず、降機した乗客から忘れ物の届けがあった場合、機内清掃中に見つかればいいが、見つからない場合は機内に戻り、ときには捨ててしまったゴミまでチェックすることも。

快適な機内を提供するためには、こうした影の業務が必要不可欠なのだ。

一方、空港でランプを眺めると、たくさんの航空機が美しい機体を輝かせて待機しているのを見かける。機体には、それぞれの航空会社の塗装がほどこされ、さまざまな塗装を眺めるだけでも楽しい。このように見るものの目を楽しませてくれるのは、機体を清掃している職員のおかげだ。航空機は航空会社によって異なるが、約40日ごとに清掃される。機体を美しさを維持するばかりでなく、腐食防止のためにも、機体清掃を欠かすことができない。

日本航空が自動クリーニングシステムで清掃しているが、その他のエアラインでは人がモップを持って機体を手で清掃する。

何人もの人が航空機に張り付くのだ。清掃は夜の間に行われる。
機体清掃や機内清掃などの業務は、航空会社の関連のグランドハンドリング会社がたいてい行っている。これらの企業で、機体・機内清掃や貨物の積み降ろしに正社員や契約社員を配属することもあるが、現場ではアルバイトが活躍する分野である。


マーシャリング業務
大型機のマーシャリングには、マーシャリングカーを使用する。パイロットから視認しやすい高さにマーシャラーがスタンバイするため、ボーイング747ではかなりの高所作業となる。巨大な航空機をパドルだけを使い、ピンポイントに誘導していくが、このとき左右の翼端には監視者が立ち、連携して安全を確認しながら作業にあたる。

基本的なマーシャリング動作について解説しよう。 彼らが乗るマーシャリングカーの台の高さは、最高で約4メートル。雨の日も風の日もしっかりと足をふんばって、向かってくる旅客機に正確な合図を送らなければならない。

まずはパドルを持った両腕を上げる。これは「注目せよ、スポット誘導を開始する」という合図だ。そして上げた両腕の肘から先を内側に曲げ伸ばし。すると、今度は「そのまま直進せよ」の意味に。右手で斜め下の方向を指し示し、斜め上に上げた左腕の肘から先を内側に振ると「左へ」。反対は「右へ」の合図になる。

「速度を落とせ」という指示は、開き気味に下げた両腕を肩を起点に上下に振ればOK。そして「停止」させるときは、上げた両腕を頭上で交差させて合図を送るのである。

以上はマーシャリングの基本的動作の一例だが、さまざまな動作を間違いなく現場で実践できるようになるためには相当な訓練が必要だ。

空港というと男性の職場のようにも思えるが、近年は女性の進出も目立ち、多くの女性マーシャラーが各地の空港を舞台に活躍している。

ところで最近、大都市の空港である異変に気づいた。マーシャラーが見当たらない。赤外線レーザーで旅客機の位置を測定し、誘導するVDGS(visual docking guidance system)の運用がはじまっているのだ。

到着機はVDGSのLED表示部に示される現在位置と停止位置までの残距離をもとに、前輪が地面に引かれているライン上をきれいにトレースし、所定の位置まで進んで静かに停止する。現代のハイテクが空港のこんなシーンでも活躍していることに感心する。

トーイング業務
トーバーを使用しないニュータイプのトーイングカー。U字型の車両の中心部にあるビックアップ装置で、航空機のノーズギアを持ち上げて肇引する。最大出力は515馬力で、ボーイング777なら時速30キロでトーイング走行可能。運転席には前向きと後ろ向きにハンドルがあり、シートが回転する。

プッシュバック業務
航空機のノーズギアとトーイングカーをトーバーで接続し、自力でパックできない航空機を所定の位置まで押し出していく。このとき乗客を乗せた航空機のすべてが委ねられる。
その名の通りバックで走行するため、ステアリング操作は非常に難しく、グランドハンドリング業務の中でも、最も経験が必要とされる作業のひとつ。

チョークマン業務
所定の位置に停止した航空機のノーズギアの各タイヤの前後にタイヤチョーク(車止め)を装着する。
もちろん航空機にもブレーキがあるが、万全を期している。乗客の搭乗や、貨物の搭載によって、重量により機体が沈み込むので、タイヤチョークで装着する。到着時のチョークオンに対して出発の際にタイヤチョークを外すことをチョークオフという。

パッセンジャーステップ着脱業務
パッセンジャーボーディングブリッジのないスポットヘ航空機が到着した場合、乗客の乗り降りに使用される車両。タラップ車とも呼ばれる。シップサイドに止め、事前に航空機の客室床の高さに設定し、航空機に装着してからアウトリガーを張り出す。ステップを動かす操作パネルは、ステップ前方に設置されている。車両を運転するには大型免許やパッセンジャーステップ車の作業資格、航空機のドア操作の資格が必要になる。


貨物の積み下ろし
空港スタッフとして航空貨物輸送業務で働こうの項目で詳しく紹介しています。


航空整備士
空港スタッフとして航空機の機体整備士で働こうの項目で詳しく紹介しています。


ケータリング
機内食の調理から搭載までを担当。
旅の楽しみといえば、機内食。とりわけ競争力が激しい国際線では、航空会社は、機内食にあの手この手の工夫をこらす。

機内食は、航空会社が独自に工場を持って作るのではなく、航空会社に委託された機内食(ケータリング) 会社が担当している。日本の場合、自社の関連会社が請け負って行っている場合が多い。
多くの航空会社の機内食を請け負っているケータリング会社になると、何と数万食以上にものぼるという。

ジャンボジェット機クラスが満席になると、300人分以上もの機内食を搭載することになる。ファーストクラス、ビジネスクラス、エコノミークラスそれぞれのクラスごとの食事というふうに種類もさまざま、その量も膨大なものになる、料理は熱を通すだけの調理された状態で航空機に搭載され、客室乗務員が加熱して乗客にサービスされる。

JAL系ケータリング会社で毎年新卒者を採用
機内食を作るケータリング会社のスタッフは大きくわけると、調理師を始めとする調理部門のほかに、管理部門、受注部門、機内食のメニューを企画する部門、搭載部門、補給部門などがある。
大手のケータリング企業になると、新卒も中途採用も行っているが、中小規模の企業は、欠員が出た場合の中途採用が主体。そんななかJAL系の(株)ティエフケーは、毎年一般の専門学校、短大、4年制大学の新卒者を採用している。調理師免許も必要ない。
ケータリング会社のスタッフは、機内食の搬入や撤去のときに、各航空会社の客室乗務員とやりとりすることが多い。外国航空会社のケータリングを受託しているケータリング会社では、英検2級程度の英語力が求められる。

インフォメーション業務
空港スタッフとしてインフォメーション業務で働こうの項目で詳しく紹介しています。


貨物カウンター
空港スタッフとして航空貨物輸送業務で働こうの項目で詳しく紹介しています。


通関士
海外からの到着・輸出貨物の通関を迅速に手配

Q 通関士って、どんな仕事をするの?
日本に持ち込まれる製品にはすべて関税がかけられるが、製品ごとに関税率が異なる。貨物の受収人は、送られてきた貨物をみて、税関用の書類を作成する。この書類は、海外の貨物を日本向けの貨物にするためのもの。日本から海外に貨物を送る時も、同様の書類を作成する必要がある。このように税関のチェックを受けることを通関といい、通関の手続きを輸出入業者に代わって行う人を通関士という。

Q 通関士の働く場所は空港だけなの?
年々海外から航空便で送られてくる貨物は増えてはいるものの、通関士の勤務場所は必ずしも空港内でない場合がある。たとえば、成田空港に到着する貨物の場合、ニュースフィルム、動物、植物、生鮮食品などのナマモノや大使館の荷物以外は、成田空港から47キロ離れた市川にある東京エアカーゴ・シティ・ターミナル(TACT)に送られる。ここの勤務になる通関士も多い。

Q どうすれば通関士になれるの?
通関士になるためには、ふたつの条件をクリアしなければならない。資格をとることと、通関を行う会社に人社することである。
国家資格を持ち、通関業を行っている会社に入社して初めて通関士となれる。

学生でも受験することができる国家資格を収得しておけば、通関業の会社に就職活動をする場合に有利。国家試験は、年に一度行われ、施され、通関業法、関税法・関税定率法・その他関税に関する法律(関税暫定措置法、外為法など) の4つの法律に関する知識及び通関実務に関する知識が問われる


4.その他の仕事
空港運営会社
空港ビルを運営する

「空港の大家さん」
一般のオフィスビルと同じように、空港にもビルを運営している会社がある。「空港の大家さん」ともいえるこの会社が、空港運営会社だ。どの空港も、空港ビルはこれら運営会社が管理している。JALやANAなどの航空会社や、空港内のレストラン・売店などは、空港の運営会社から場所を借りて営業しているのだ。
空港施設の運営とは、ターミナルビルや航空保安施設など、空港施設の保守管理や、乗り入れ航空会社やテナントの管理、旅客・貨物ターミナルビルの管理、駐車場の管理、消防・航空機燃料の補給・貯蔵・環境対策など、空港を維持していくためのすべての業務といえる(航空管制をのぞく)。


新卒者もチャンスあり
ウェブサイトで募集をチェック

空港運営会社は各地にあるが、残念ながら地方空港ではほとんど採用がないというのが現状。ただし、成田空港、関西空港、中部国際空港など大きな空港では、毎年若干名ながらも新卒者や既卒者を採用している。とくに成田国際空港(株)では、4年制大学および大学院新卒者を対象に、毎年コンスタントに20名程度を採用。


空港内ショップスタッフ
空港内の売店や免税店、レストランで働く

空港内には、売店、土産物店やレストランをはじめ、免税品ショップやブランド店などさまざまな店舗がある。昨今では成田空港のブランドショップ通り「narita nakamise」に代表されるように、どの空港もショッピングエリアを充実させる傾向にあり、 そこで接客をするスタッフもより多く必要とされているはずだ。

アルバイト情報誌やハローワークもチェック
ショップスタッフになるには、空港内のショップを運営している会社にアプローチするのが近道だ。代表的な会社としては、関西空港を中心に飲食店・物販店を運営管理する関西国際空港産業(株)や、中部国際空港で店舗を展開している中部国際空港旅客サービス(株)などがあげられる。こうした会社では、各社のウェブサイトでスタッフを募集することが多い。
また、空港に店舗を持つ企業が、独自にショップスタッフを採用していることもある。
この場合は、アルバイト情報誌や現地(空港近く)のハローワーク、各社のウェブサイトで募集が発表される。


保安・警備業務
機内持ち込み手荷物や不審者をチェック

国際空港はテロリストの標的になりやすいこと、ハイジャックという卑劣な犯罪が発生する危険性があるため、どの空港でも警備には万全を期している。わかりやすいところでは、チェックインした後、乗客は必ず保安ゲートを通ることになっているが、ゲートを通った途端、ブザーが鳴ってボディチェックを受けた経験を持つ人もいるだろう。ここでは機内持ち込み手荷物だけでなく、乗客が身につけているものもX線に通して調べ、危険物を機内に持ち込もうとしていないかどうか、乗客が不審な様子をしていないかどうかをチェックしている。

警備会社に就職
こうした保安ゲートでは、女性検査官も多数活躍している。空港の警備会社としては、(株)ジェイ・エス・エスが代表的である。


派遣スタッフ
航空会社の本社や空港など、あらゆるところで活躍

バブル経済崩壊後の景気後退により、航空各社では、従来、女性の仕事とされてきた事務補助業務を行うための一般職の採用を取り止め、そのかわりに人材派遣会社からの派遣スタッフで業務をまかなう傾向が強くなっている。一般事務部門ばかりでなく、電話予約受付業務や、団体客のチェックイン業務までも担当していることもあり、もはやその活躍の場は航空業界のありとあらゆる場所に及んでいる。

航空業界に強い派遣会社に登録しよう
これら人材派遣会社の募集は、英字新聞The Japan Timesや朝日新聞の求人欄に広告が出るが、人材派遣会社では常に派遣登録を受け付けている。航空会社での仕事を希望するならば、登録しておくと良いだろう。端末操作や接遇などの教育プログラムも充実しているので、就職準備のためのステップにもなる。


空港での送迎代行
センディングとは、ツアー旅行の当日、参加者が空港に集合してから無事出発するまでサポートする業務です。旅行会社の業務の一部ですが、成田などの国際空港では、専門のセンディング業者が旅行会社から受託してスタッフを派遣するのが一般的になっています。具体的な業務は、出発ロビーでの受け付け、パスポートやビザの確認、航空券やオプションチケットの配布、旅行保険の案内、必要書類の記入法や搭乗までの流れの説明などです。初心者や高齢者が多いツアー旅行では、集合時間への大幅な遅刻や当日キャンセルが珍しくなく、発券ミスやフライトの遅延、欠航などで代替便の手続きが必要となる事態もあります。センディングスタッフは、想定外のトラブルにも的確に対処する判断力が求められます。

センディングと逆に、到着する人を出迎えるサービスはミーティングと呼ばれます。主に来日する外国人客(インバウンド)が対象で、到着ロビーで企業や顧客名を記したプレートを持って出迎え、ハイヤーやリムジン、鉄道などへの案内、ホテルのチェックインなどをサポートします。オプションで観光案内や通訳を行うこともあり、外国語を活かせる仕事です。


航空貨物のエキスパート
企業や個人が輸出入を行う際は、その内容を税関に申告して輸出入の許可を得、輸入時には関税の支払いも必要になります。これを通関といいますが、申告に必要な書類は複雑で専門知識を要するため、通関業者に委託するのが一般的です。通関業は、航空会社、運送会社、倉庫会社などが兼業で実施していますが、原則として各事業所に一名以上の通関士を置くことが義務付けられています。通関士は、財務省所管の国家資格で、通関士になるためには、通関士試験に合格したうえで、税関長から「通関士の確認」を受ける必要があります。ちなみに通関士資格は、通関業者はもちろん、商社やメーカーの輸出入部門で働く場合にも取得していると有利な資格です。

通関手続き以外にも、国際航空貨物輸送では、航空運送状の作成、運送スケジュールの作成、運賃計算など、専門知識が求められる様々な業務があります。国際航空貨物取扱士は、この分野の知識レベルを認定する国際資格で、IATA(国際航空運送協会)とFIATA(国際貨物輸送業者協会連合会)共催の試験で得られる「ディプロマ」資格は、海外企業へ就職する際、自己証明書として使えます。ギクプロマには基礎、上級、危険物の3コースがあり、日本では、社団法人航空貨物運送協会(JAFA)が試験を実施しています。


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