1.そもそも駐機場のことをなぜ「エプロン」と呼ぶのか?
空港の駐機場のことを「エプロン」と呼ぶが、その語源をめぐってはいくつかの説がある。最有力なのは、滑走路側から見ると、料理用のエプロンに見えるからという単純な説である。
空港のもっともシンプルな形は、滑走路があり、その横に駐機用のエリアがあるというスタイル。それを上空から見ると、
細長い滑走路が腰にまわすひも、四角い駐機エリアが前掛けの部分のように見える。そんなイメージから「エプロン」と呼ばれるようになったといわれる。
ただし、
大型空港は、滑走路とエプロンが誘導路で結ばれているので、上空から見たときの形は、より複雑である。
ちなみに、空港のエプロンは「ランプ」と呼ばれることもある。「エプロン」と「ランプ」を同義語として使う人もいるが、厳密にいえば両者は意味するところが少々ちがう。エプロンは、その目的によって「旅客用エプロン」や「
貨物用エプロン」「
整備用エプロン」などに分かれるが、「ランプ」はそれらエプロン(駐機場) 全体の総称である。
また、空港では「スポット」や「ゲート」という言葉もよく耳にする。どちらも、エプロンの中で、個別の航空機を駐機するために定められた位置をさす。つまり、エプロンの中にスポットやゲートがあるというわけだ。そのうち、「スポット」は、航空会社や空港の職員が使う専門用語であり、乗客にたいしては「搭乗ゲート」というように「ゲート」が使われている。
エプロンやスポットとは、どちらも空港内で航空機が駐機する場所を指している。だが厳密にいうとエプロンとスポットには、それぞれ別の定義付けがある。まずエプロンとは「旅客や貨物の積みおろし、給油や整備などを行なうさいに、航空機を止めておくための空港内の一定区域」。これに対してスポットは「エプロン内にあって、航空機を駐機しておくために指定された特定の場所」を指す。つまりエプロンは空港内の決められた駐機スペース全般だが、スポットはエプロンの中で航空機が駐機するために特定された場所を意味している。
また
各地の空港では航空機のサイズによって使用できるエプロンやスポットが決まっている。そのためエプロンは中・小型機用と大型機用に分けられていることが多い。またスポットは隣のスポットとの間隔や搭乗橋(パッセンジャー・ボーディング・ブリッジ)などの空港施設との関係によって使用できる機種に制限が設けられていることが多い。
3.飛行機の駐機場「エプロン」にはどんな種類がある?
空港で、飛行機をとめておく駐機場のことを「エプロン」と呼ぶ。
ひと口に「エプロン」といっても、
目的によっていくつかの種類に分けられている。
エプロンの多くは、旅客用、貨物用、ナイトステイ用、整備用というように分けられ、用途別に飛行機がとまる場所は変わる。
まず「旅客用(ローディング) エプロン」は、乗客の乗り降りに使われるエリア。大型空港では、ポーティングブリッジを通じて、旅客ターミナルとつながっている。小さな空港ではタラップを使って乗降することがあるが、その場合も、飛行機に乗り降りする場所は「旅客用エプロン」である。
つぎに「貨物用エプロン」は、貨物ターミナル前のエリアのこと。ここには、貨物の積み降ろしをするための設備が整っている。巨大空港では、旅客エプロンが満杯のとき、貨物用エプロンを旅客用に使うこともある。その場合は出発ゲートからバスで移動し、タラップを使って搭乗することが多い。
「ナイトステイ用エプロン」は、その空港でオーバーナイトステイする飛行機が駐機する広場である。夜間駐機が多い巨大空港では、旅客用エプロンだけでは足りなくなるため、飛行機用のホテルのようなスペースが設けられているというわけだ。
たとえば、羽田空港では、貨物地区のほうにナイトステイのためのエプロンがある。
早朝、
展望デッキにいくと、そこで夜を明かした飛行機を見ることができる。
「整備用エリア」は、ハンガーの前のエリアで、ハンガーに入れなくてもできるような小規模な整備や点検が行なわれる。
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