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不定期便のはずが定期チャーター便が登場したわけ

不定期便のはずが定期チャーター便が登場したわけ
1.チャーター便について
定期便を運航するほどの需要が見込まれない地方と海外の観光地を直結するチャーター便。本来、不定期便のはずですが、最近は「定期チャーター便」という言葉もよく聞かれるようになりました。

チャーター便とは、旅行会社や一般企業、団体、個人などが貸し切り、臨時に運航される航空便です。依頼主や運航目的によりいくつかの形態がありますが、代表的なものは、一社または複数の旅行会社が座席を買い取り、ツアーとして販売する、包括旅行チャーター(ITC)です。

ITCには、航空会社にとっては航空券を販売するための経費がかからない、旅行会社にとっては集客しやすいツアー商品を開発できる、というメリットがあります。旅行者にとっては、日本から直行便が就航していない人気の観光地、例えば中欧のチェコ、北欧のアイスランド、北米のアラスカ、南太平洋のパラオなどに、定期便乗り継ぎよりも数時間早く、より安い価格で直行できます。また、日本から定期便が就航している近隣アジアヘも、地元の空港からダイレクトに行けることで、旅慣れない人や高齢者などの潜在需要の掘り起こしや地方空港の活性化に効果的です。

チャーター便は、バカンスや聖地巡礼など季節波動の大きい欧米では広く利用されており、日本発着のチャーター便の9割近くは海外の航空会社によるものです。日本でもここ数年、観光需要の喚起を目的に、ITCに関する規制が徐々に緩和されており、改正された新ルールでは、個人への航空券販売や、日本と相手国以外の航空会社による運航が大幅に自由化されるなど、チャーター便を運航しやすい環境が整ってきました。今後、不況で削減された定期便の代替や、定期便就航の試行的な意味合いでもチャーター便の増加が見込まれます。

2.定期チャーター便
チャーター便は臨時に運航されるため、通常時刻表に載ることはありませんが、市販の時刻表にも載っている「定期チャーター便」があります。羽田空港を発着する国際線がこれに相当し、同空港のホームページにも「毎日運航する国際チャーター便」と記載されています。これは、「国際線は成田、国内線は羽田」とした取り決めのため、羽田に国際定期便は就航させられない現状に対する苦肉の策ともいえるもので、01年のワールドカップ共催時に臨時運航して好評だった羽田―ソウル(金浦)線を翌年に定期化した当初から、個人でも航空券を購入できる、実質的に定期便と変わらないものでした。羽田からの「国際チャーター便」はその後、上海(虹橋)線、香港線、北京線と増え、台北(松山)線も就航予定ですが、羽田の国際化が実現すれば、晴れて「定期便」に昇格することになるでしょう。

オウンユースチャーター
団体や個人が航空機を貸し切って利用する方法。国際的に活動するスポーツチームや楽団がスタッフや道具一式を運んだり、企業が取引先を招待するようなケースが該当。費用は団体等が負担。複数団体で1機を借り切ることも可能。

アフィニティチャーター
観光以外の目的で、類縁団体(アフィニティ グループ)が航空機を貸し切ること。親善訪問、社員旅行、修学旅行など、団体の構成員以外は参加できず、費用を構成員が負担するケースが該当。複数団体で1機を借り切ることも可能。

包括旅行チャーター
旅行会社が、企画するツアーの一部として航空機を貸し切ること。
いわゆるパックツアー。一般の人も団体旅行に申し込むことで利用できる。規制緩和により、個人で座席のみを購入することも可能に。

定期チャーター便
羽田空港の国際化の一環で登場。通常の定期便と同様に毎日運航され、個人で座席を購入できる。

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