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機内サービスが充実しすぎていて映画など時間をフル活用する方法

1.機内サービスをフルに活用
飛行機に乗るだけでただただうれしいという人でもさすがに太平洋横断線、ニューヨーク線、ヨーロッパ線などでは時間を持て余す。

列車の旅なら食堂車や展望車へ行ったり、船旅ならデッキで風に吹かれたり、プールで遊んだりアスレチックで汗を流したりと、退屈をまぎらせる方法はいろいろある。

でも旅客機では高速で時間と距離を短縮するのと引き換えに、スペースを犠牲にしているから、機内でのエンタティメント、ひまつぶしはかなり限られる

食事や映画、ビデオ、音楽などのプログラムが、退屈しのぎのまずトップにくるけれど、それでも長距離国際線では時間を持て余してしまうのが普通だろう。でも注意して探してみると、機内にもひまつぶしのネタは少なくない。

機内サービスをフルに活用してみることだ。国内線なら、新聞や雑誌を読んでPESを楽しんでいるうちに、普通はフライトが終わるけれど、国際線ではそうはいかない。

まず新聞、雑誌、持参の本、それに機内誌などの読み物を活用する。特に機内誌(インフライト・マガジン)は、航空会社ごとに個性があるし、さまざまな情報も盛り込まれているから、丹念に読む価値はある。

機内サービスの概要も機内誌に必ず載っている。例えば、歯ブラシ、歯磨き、電気カミソリ、化粧品、クシ、おむつ交換台やベビーベッド、哺乳ピン、薬品、さらに封筒・便菱・絵はがき、ボールペン(航空会社のロゴマーク入り)などの文房具は、まずどこのエアラインでも備えている。借りられるものも無料でもらえるものもある

もらえるといえば、ビジネス、ファーストクラスでは、化粧品などのキットが配られるのは常識。エアラインによっては花や人形、玩具、民芸品などもプレゼントしてくれる。ビジネスクラスでもアメニティ・キットは常識だったが、最近ではコストダウンのためにリクエストベースになっている航空会社もあるが。

ひまつぶしの道具としては、トランプ、碁、将棋(外国のエアラインでも最近は備えている)、チェス、ダイスなどのゲーム類もまず手に入る。最近では携帯用ゲーム機を貸し出してくれる例もある。

機内誌にはここまで詳しく書いていないこともあるので、客室乗務員に申し出ることだ。
機内誌にメールオーダーの頁があったり、機内誌とは別に立派なスカイ・ショッピングの冊子をくれるところも多い。これは結構楽しめる。掲載の商品は機内で購入できるが、あとでメールオーダーすることもできる。各社のロゴマーク入りのオリジナル商品や、有名ブランドの特選品、土産品などもあって、これを丹念に見ているとかなりの時間が経過する。

珍しいところでは、機内にスロットマシンを設置したシンガポール航空のような例もあった。さらに最近アメリカではパーソナル用PESを双方向通信が可能な、いわゆるマルチメディア端末にして、ゲームソフトを使った機内ギャンブルを計画しているという情報もある。1機で年間100万ドルの収入が見込めると、航空不況に苦しむエアラインを誘惑しているメーカーがあるのだそうだ。

免税品の機内販売を覗いてみるのもいいだろう。アルコール類、煙草、香水あたりが一般的だが、スカーフやネクタイ、アクセサリーやライター、筆記具など世界の逸品も揃っているのが普通。エアラインのオリジナル商品も、その会社ならではの品揃えもある。ルフトハンザ航空で、メルクリンの鉄道模型を買ったことがある。

以上のことをすべてやってみても、まだ時間が余るようなら、もうお酒を飲んで寝るしかない。食事は決まった時間にしかできないが、飲み物はいつでも注文できる。ビジネスやファーストでは、飲み物とスナックなどを備えたコーナーを随時利用できる例も多い。


2.機内を劇場化させる「エンターティメント」
自宅でDVDを楽しむ感覚で映画やビデオが楽しめる。
上級クラスのシートとともに、昨今サービスの改善が著しいのは、映画や音楽番組などの機内エンターティメント。

この種のサービスは1960年代半ばごろ、米国の航空会社を皮切りに始まった。以前は前方のスクリーンで観る映画とイヤホンで聴く何種類かの音楽程度だったが、90年代後半頃からエコノミークラスにもパーソナル液晶モニターを搭載した機材が次第に増加、多様な番組が楽しめるようになった。日本封切り前のハリウッド最新作が、ひと足早く観られることも機内ならではのメリット。

さらに最近は、好きな番組を、好きなときに、好きなところから、開始、停止、一時停止、巻き戻し、早送りなどができる「オンデマンド」機能搭載のサービスが登場。食事中は一時停止するなど、自宅でビデオやDVDを楽しむ感覚で、思いのままに番組が楽しめる。

番組の内容も、最新映画や人気ドラマ、スポーツ番組などから、幅広いジャンルの音楽番組、音楽CD、各種ゲームまで実に多彩だ。たとえば日本航空のボーイング777シリーズと一部の同767―300では、全席にオンデマンドシステムを搭載。全日空もボーイング777シリーズなど最新機材の全席に導入済みだ。

液晶画面のサイズも大型化が進んでおり、ファーストは19インチ(約48cm)、ビジネスクラスでは15インチ(約38cm)の画面も登場。シンガポール航空が06年12月から長距離便に順次導入する新機材のファーストクラスには、23インチ(約58cm)の高解像度液晶ワイドスクリーンが導入される。


機内ロードショー
飛行時間が10時間以上の長距離便においては、機内ロードショーなどのエンターティメントが充実していると快適に過ごせる。以前は映画の時間には乗客たちが一斉に映画を見る態勢になったものだが、今では個々の座席に設置された液晶テレビで映画類を鑑賞できる機材がメインになった。

日本ではまだ公開されていない新作を見ることもできるので、機内エンターティメントの内容によってフライトを決めるのも手だ。
個人用の液晶テレビでいつでも見られるとはいえ、同じ時間に一斉に放映されるタイプとオンデマンド方式で好きな時に好きな映画を見られるという2タイプがある。

もちろん、後者の方が便利で楽しいのだが、ついうっかりすると尻切れトンボの映画になることがある。というのも、自分で自由な時間を選択できるのだが、1時間50分の映画を見始めたのが着陸2時間前とすると、着陸20分前にはエンターティメントサービスが終了してしまう。

したがって肝心なラストシーンを見ることができないで終わることもあり、旅行をしている間その映画のことが頭から離れられなくなってしまう。

帰国便で見ればいいやと思いきや、行きと帰りではプログラムが異なっていることが多く、極端なことをいえば「この映画の結末」が見たいがために1往復するなんてことになる。さすがにそれをしたことはないが、結局はラストシーンのためにレンタルビデオ店に足を運ぶはめになってしまった。



3.機内販売vs免税店
昔は空港の免税店で山ほど買い物をして帰るのが、帰国する時の習慣のようであった。しかし、円高や並行輸入などで安く海外の商品が手に入るようになると、免税店の手提げ袋に入った重い荷物をかかえて帰国する旅客の姿を見ることが少なくなった。

ひとり3本まで無税という定番の洋酒類も近所の量販店の方が安いこともあり、以前に比べると洋酒類のお土産は激減したという。確かに重い思いをして持ち帰っても、今はその重さほどの価値がないからだろう。洋酒類よりも機内販売限定の「焼酎」を手に帰国する姿を見ることがあり、日本の酒事情の変化を知ることができる。

さて、免税店でのショッピングが減ったかといえば、そのようなことはないという。最初から購入する商品の値段をチェックし、どこで買うのが得かをしっかり把握している人が多いようだ。空港内には有名ブランドの直営店も出店しており、ただ安ければ買うというだけでなく、日本では手に入りにくい品物を買うといった傾向にある。

ここでポイントになるのが、機内販売と免税店ではどちらが安いかということだ。日本から海外へ行く場合は、行きの便で機内販売価格をチェックし、帰国時に現地の空港で商品を選ぶ時に値段を比較すればよい。なお、機内販売では航空会社提携カードの割引もあるので、その点のチェックも必要。FFP上級会員に対してはさらなる割引も行われているので、すべてを加味してどっちで買うのが得か比べてみる必要があるのだろう。

往路の便で購入したい場合には、各航空会社のホームページに機内免税品の一覧が出ているので、まずはここをチェック。日本の空港であれば航空会社の提携カード割引店もあるので、じっくり値段を比較して買うことができる。ここで注意しないといけないのが、商品に付いている通貨単位だ。

日本の空港および機内販売では日本円(海外の航空会社は所属する国の通貨および米ドル)なので比較しやすいが、海外では為替レートもあるので事前に目安となるメモを作っておくと便利だ。台湾のようにNTSとUS$がある場合、$の文字だけで値段を比較すると高い買い物になることがある。現金ならその場でわかるが、クレジットカード支払いの際は通貨単位に要注意となる。

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