コンテンツ

航空機はジェット機だけじゃない!いろいろな種類を紹介

1.軽航空機と重航空機
航空機の定義とは、人が乗って空中を飛行できる機械や器具のことである。このうちエンジン(動力)の力で推進し、固定した翼に生ずる揚力で飛ぶものだけを、飛行機という。

航空機は、軽航空機と重航空機とに分けられる。空気より軽いガスの浮力で空中に浮く飛行船や気球が軽航空機で、翼に生ずる揚力で機体を空中に浮かすものが重航空機である。

重航空機には、飛行機やヘリコプターのように動力を持つものと、動力なしのグライダー(滑空機)がある。混同されがちではあるが、グライダーは重航空機ではあっても、飛行機ではない。

さらに重航空機は、飛行機とグライダーのように固定した翼をもつ固定翼機と、ヘリコプターやオートジャイロのように、回転する翼で揚力を発生させて飛ぶ回転翼機に分けられる。 ロケットエンジンを使って宇宙をめざすロケットは、重航空機に分類することもあるのだが、ほとんどの場合、航空機に含めず、単に飛行体とする。


2.グライダー・ウルトラライトプレーン
上昇気流を利用して飛行
グライダーとは動力をもたない航空機のことである。航空法では滑空機と呼称される。動力をもたないので、自分の力で離陸することができない。離陸の方法として、ウインチで引っ張る、自動車で引っ張る、飛行機で引っ張るなどの方法がある。自動車で引っ張る方法は、長い舗装滑走路を占有するので、近頃ではあまり行われていない。

離陸したグライダーは、地上から吹き上げる上昇気流を使い高度をとる。カラスや鳶などが羽ばたかずに空中を飛ぶことと原理は同じである。グライダーも鳥たちと同じように上昇気流の上を円を描きながら飛び、高度をかせいでいく。

上昇気流は山岳地帯や広大な平原に発生しやすい。平原の上昇気流は地表が太陽で熱せられ、接する空気のかたまりが上昇していくことで発生する。上昇気流が発生しやすいのは春先の寒暖の差が大きい季節である。工場地帯や人口密集地には上昇気流が発生しやすいが、森や湖・川の上空には逆に下降気流が発生しやすい。

グライダーの飛行速度は時速90km程度で航空機としては低速ではある。飛行時間としては、上昇気流をうまく利用すれば、長時間の飛行が可能である。 グライダーの主翼は他の飛行機に比べて長大である。この翼が無動力での飛行を可能とした。その縦績比(アスペクト比)は、15から38くらい。旅客機の主翼の縦横比は9程度である。この縦横比によって翼に発生する誘導抵抗を減らし、長時間の滞空を可能としている。

エンジンつきのウルトラライトプレーン
ウルトラライトプレーンとは、グライダーと同じくスポーツ要素の強い飛行機である。簡単に言ってしまえばグライダーに低出力の動力を取りつけた飛行機。こちらも滑空能力は高く、小さな低出力のエンジンで軽々と離陸することができる。必要最小限の性能しかもっていないので、手軽に飛ばせる反面、制約も多い。

たとえば2点間の飛行は禁止されているので、同じ場所を旋回しながら飛ぶしかない。また、家や道路の上を飛ぶことも禁止されている。よって完全にスポーツの世界の飛行機といえよう。 ウルトラライトプレーンを操縦するには資格がいる。資格といっても健康診断と、日本航空協会による技能認定書が必要なだけだ。技能認定書は飛行機の操縦免許よりはるかに簡単に取得できる。


3.セスナなどの小型機
低速を利用した活用
一般に2-4名程度を乗せられる飛行機のことをセスナと呼ぶが、セスナとは航空機メーカーの名前である。セスナとはアメリカの航空機製造会社の名前であり、小型機の開発を得意としている。 エンジンはレシプロを使い、プロペラにより推進する。出力は150馬力、巡航速度は時速220km、航続距離は1200kmほどである。

用途はおもに遊覧飛行や、航空写真の撮影、地上の測量などに使われる。そのため、視界が確保できるよう翼は高翼の形態をとることが多い。プロペラ機であるセスナはゆっくり飛ぶことができ、この特徴が活かされる。 セスナは農業にも使われる。空から農薬や農産物の種をまいたりするのだ。また、北米やオーストラリアなどの人口過疎地域では、セスナを車代わりに使う。

遊覧飛行から操縦体験まで
低速でかつ重量が軽く身軽なこともあいまって、練習機としてもよく使われる。 大型の旅客機を飛ばすパイロットも、まずはこのような小型機を使って操縦のイロハを学ぶ。

小型機の操縦免許は比較的簡単にとれる。簡単とはいっても集中的に講習をうけても3か月くらいはかかるし、費用もおよそ300万円は必要だ。とはいえこれだけの時間と資金が準備できるのであれば、操縦免許をとることができる。ただしこの免許は自家用に限られる。航空会社のパイロットになるには、この免許をとり、ある程度の飛行時間を重ねる必要がある。

操縦方法は大型の旅客機と変わらない。パイロットは操縦梓やフットペダルを使って飛行機をあやつる。 世界中でこの小型機を使った遊覧飛行が行われている。日本においては30分で約1万円程度の費用で空からの眺望を楽しむことができる。景勝地の遊覧飛行ばかりではなく、都市部の夜景を楽しむ遊覧飛行プログラムもある。 海外の観光地では実際に小型機を体験操縦できる飛行ツアーがある。代表的な場所としてはハワイがあげられる。地元の航空会社では多くの旅行客向けのツアーが用意されている。


この記事を見た人は、一緒にこんな記事も読んでいます!