出発の際に預けた荷物が、どこへ行ってしまったのか、到着地の空港で出てこない
そんな「ロストバゲッジ」の経験はありませんか?
万が一預けた荷物が出てこなくても、慌てなくて大丈夫。
空港で「ロストバゲッジ対応」の専用カウンターを探しましょう。そこで控えのラゲッジタグと利用した便の航空券を提示し、荷物を宿泊予定のホテルに届けてもらうように頼めば、たいていは1日か2日で無事に手元に戻ってきます。
稀に荷物が見つからなかったり、旅行中に届かなかったりというケースもありますが、次のことを守っていればまず安心。ぜひ実践してみてください。
1.どうして預けた荷物がときどき迷子になるのでしょうか?
荷物情報はバーコードで管理
まずは、チェックイン手続きの際にカウンターで預ける荷物が、どういうルートで運ばれていくかを見てみましょう。
チェックイン手続きを行うと、荷物には行き先のスリーレター・コードが表示されたタグが貼られます。
そのタグを係員が目で見て、目的地ごとに仕分けを行っていました。「SIN」ならシンガポール行き、「ANC」はアンカレッジ行きといったぐあいに。
国際便が世界中に飛び交うようになった現在は、さすがにそんな原始的なやり方では対応が間に合いません。LAX(ロサンゼルス)とLUX(ルクセンブルク)など1字違いのまぎらわしいスリーレター・コードも多く、仕分けミスから目的地とはまったく違う都市の空港へ荷物を運んでしまうというケースもかつては少なくありませんでした。
昔と違い、現在は比較にならないほど高度なシステムで荷物管理が行われるようになりました。荷物に貼られたタグのバーコードを人間ではなく機械(バーコード読取装置)が読み取り、その荷物情報がコンピュータによって管理・処理されます。バーコードなら読み間違えることはありません。ベルトコンベアを通過した荷物は、「航空会社」「
便名」「目的地」などのバーコード情報をもとに、所定の便のコンテナへと導かれるのです。
しかし、それでもロストバゲージはなくならない。原因のひとつが、バッグの突起物にあります。コンベアで荷物が次々と運ばれるさいに、その突起物が何かに引っかかってコンベアの外へ。
空港到着が遅れそうな場合は、あらかじめ荷物を少なめにし、機内持ちこみ手荷物のみでチェックインしたほうが安全でしょう。バッグについたままの古いパゲージタグも、コネクションフライト(乗り継ぎ便)のさいに積み間違いを引き起こすので、到着時に外しておくことが大切です。
①荷物にタグを付ける
荷物には、かならず「ネームタグ」をつけておくこと。表に名前が見える「ネームタグ」は空港到着時の詐欺事件に遭いやすいので、カバーのあるタグがベストです。また、スーツケースの内部には「Itinerary(旅程表)」と書いた封筒などに目的地での滞在先、携帯電話番号などを明記して名刺といっしょに入れておくと、すみやかな返却が行われます。
②ぎりぎりのチェックインは避ける
時間ぎりぎりにチェックイン手続きを行うとロード漏れ(積み忘れ)の原因に。やむをえず空港到着が遅れそうな場合は、あらかじめ荷物を少なめに整理し、機内持ち込み手荷物のみでチェックインしたほうが安全です。
③かばんは突起物の少ないものを選ぶ
原因の一つとして考えられるのが、バッグの突起物。ベルトコンベアで荷物が次々と高速で運ばれる際に、その突起物がなにかに引っかかって、コンベアから飛び出してしまうのです。それに係員が気づかなければ、荷物が積まれないまま便は出発してしまうことに。ですから、突起物のあるバッグは要注意です。また、スーツケースの表側にぐるっと巻く布製のバンドも、運搬中に緩んでコンベアに引っかかってしまうことが多いため、航空会社ではすすめていません。
④古いラゲッジタグを外しておく
過去のフライトの際についたままのラゲッジタグは、到着時に外しておくことも大切です。大きなもののほかに、いくつかかならず貼られるバーコードの小さなシールも、コネクションフライトの際に積み間違いの原因になります。すべてバーコードを機械で読んでいるので、本当はバッグの表面にあれやこれやのシールを貼るのもお勧めできません。
実際、ロストバケッジは、世界中のあちこちの空港で毎日のように起きています。
もし到着した空港で荷物が出てこなかったらそのときは「運が悪かった」と諦めるしかないでしょう。しかし、その荷物が見つかって滞在するホテルに届くかどうかは、決して運・不運の問題ではありません。
以上ですが、これさえ守っていれば、仮に海外の空港で「ロストバゲッジ」に遭ってもまず大丈夫。そんなに慌てることはありません。
また、ラゲッジタグの控えはパスポートに必ずはさみ、ターンテーブルで自分自身のかばんを拾うまで無くさないようにしてください。複数のラゲッジを預けて、小さなラゲッジを取り忘れるということもよく起こります。
最近はどのエアラインも荷物を管理するコンピュータシステムが発達し、ロストバゲッジも少なくなってきました。しかしそれでも、ゼロというわけにはいきません。
前の出発地からの機の到着が遅れて荷物の積み替えが間に合わなかったり、別の荷物にまぎれてどこか他の国に運ばれてしまったり。ということは必ず起ります。
年に20回は海外へ出るというあるヨーロッパ系エアラインの広報PR担当者は、こうアドバイスしてくれました。
「いつどこでロストバゲッジに遭っても慌てないで済むように、一晩分の下着と洗面道具、貴重品、仕事の道具、書類などは必ず手荷物として機内に持ち込むようにしています。あとは、多少の現金ですね。100ドルか200ドルくらいのドル札は、常に財布に入れて海外へ。渡航先によっては、カードが使えない場所も。
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