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航空機メーカーの世界市場シェアと業界ランキング(2020年度)
1位 エアバス 41.45%
2位 ボーイング 16.36%
3位 ジェネラルダイナミクス 8.18%
4位 ボンバルディア 6.57%
5位 西安飛機工業公司 5.06%
6位 テキストロン 4.04%
7位 ダッソーファルコン 2.67%
8位 エンブラエル 2.22%
9位 ATR 1.82%
10位 スホーイ 1.06%
11位 中国商用飛機 0.41%
12位 パイパー・エアクラフト 0.23%
旅客機をつくっているメーカーと言えば、まず思い浮かぶのが、アメリカのボーイング社とヨーロッパのエアバス社ではないでしょうか。市場はこの両社がほぼ60%を占有しているので間違いありません。
アメリカ・シアトルを中心に拠点を展開するボーイングは、小型機から大型機まで幅広い機種を製造しています。その代表格が、最新鋭大型機の787や「トリプルセブン」の名で親しまれる777、小型機の737などです。787は世界中のエアラインから受注を拡大中であり、また大手各社が長距離国際線の主力として採用しています。777については開発を進める新バージョンの777Xを投入して大型機市場でさらに攻勢をかけようとしています。小型機ではベストセラー737の進化型である737MAXを誕生させましたが、一部不具合がありました。
これに対して欧州連合の企業であるエアバスは、フランス・トゥールーズに本社工場を置いています。総2階建ての超大型機A380から小型機のA320まで豊富なラインナップを揃えてエアライン各社のニーズに応えてきました。
現在熱い視線を集めているのは、2015年1月から飛びはじめた次世代機A350XWBです。小型機市場ではボーイングの737MAXに対抗するA320neoが、日本ではすでに2016年にANAに納入されています。
ボーイングとエアバスの最大手2社を追うのが、アメリカのジェネラルダイナミクスとカナダのボンバルディアです。 ジェネラルダイナミクスはビジネスジェットを作っています。ボンバルディアはリージョナル機(座席数が100席未満の旅客機)やビジネスジェット、水陸両用機などを製造してきたボンバルディアは、日本ではローカル路線で活躍する高翼プロペラ機DHC-8シリーズで知られています。
ボーイング、エアバスへの集約の歴史
ピストンエンジン四発旅客機による長距離国際線が確立された1940年代末期の時点で、アメリカにはボーイング、コンベア、ロッキード、ダグラスの4社が旅客機メーカーとして存在していました。
しかしジェット旅客機ではヒット作を打ち出せなかったコンベアは、ジェネラル・ダイナミクスに買収された後、1976年にカナダ政府に売却され、現在のボンバルディア・エアロスペースの前身であるカナディアとして再出発しています。ジェット化時代に乗り遅れたロッキードはL-1011トライスターで巻き返しを図ったもののセールスが振るわず、1981年に旅客機事業からは撤退しました。その後マーチン・マリエッタとの合併を経て、主に軍用機やミサイル、宇宙開発などを手がけるロッキード・マーチンとなっています。
ダグラス・エアクラフトはDC-8とDC-9の両ジェット旅客機で成功を収めたものの、DC-8の納入遅延による巨額の違約金の支払いと、ダグラス一族の密室経営などで財務状況が悪化しました。1967年に軍用機メーカーのマクドネル・エアクラフトと合併し、マクドネル・ダグラスとして再出発しました。
ダグラス・エアクラフトが設計し、マクドネル・ダグラス初の旅客機として送り出されたDC-10は一定の成功をおさめ、また同社はF-15イーグル戦闘機などの軍用機でも好調なセールスを記録していきます。しかしDC-10の後継機となるMD-11とMD-90の販売不振などから経営不振となったため、1996年にボーイングに吸収合併され、アメリカの旅客機メーカーはボーイング1社となったのです。
1951年にジェット旅客機「カラベル」を世に送り出したフランスのシュド・アビアシオンは、1970年にノールと合併してアエロスパシェルを創設します。同社とドイツのメッサーシュミット・ベルコウ・ブローム(MBB)
の出資によりエアバスが創設されました。その後アエロスパシェルとMBBはスペインのCASAと合併してEADSを結成。EADSは2014年1月にエアバス・グループへと社名を変更し、2017年1月には子会社のエアバスと合併して社名をエアバスへと再変更し、現在に至っています。