目次

飛行機に給油する仕組みと燃料タンクに隠された秘密

1.給油のしくみ
ガソリン系とケロシン系
どんな航空機もガス気球とグライダー以外は燃料なしで飛行することはできない。熱気球でもバーナーで、燃やすプロパンガスがなくなれば、次第に浮力を失い不時着してしまう。

航空会社で使用されているジェットエンジン付き旅客機の燃料には大別して、ワイドカットガソリンとケロシンの2種類があり、前者はJetBまたはJP-4と呼ばれ、軽揮発油と重揮発油の混合油と、灯油が50対50で混合されたものである。後者はJetA-1またはJP-5と呼ばれ、灯油溜分から生成される。

高空の低温部を長時間飛行する航空機にとって安全上の見地から重要なのは燃料の耐低温性であり、マイナス50度の低温下でも、燃料中の成分や溶解水分が凍結して濾過器や配管を塞いだり、粘度が高くなって燃料の流れが阻害されたりしないことが重要となる。航空機はおもに、ケロシンに添加物を加えたものを燃料としている。

加圧して機体に送り込む
燃料の補給方法としては、燃料の重さを利用して補給する重力式補給と、圧力式補給の2種類がある。現在では重力式給油はほとんど行われていない。

圧力式補給は短時間に大量の燃料を補給する方法で、燃料補給口に給油装置を接続して燃料を加圧し、燃料マニホールド、補給バルブを通してタンクに燃料を分配する。大型機では主翼前縁に補給口(接続口は各2個)があり、約3.5kg/cm2の圧力で給油する。4つの接続口を合わせて毎分2000ガロン(7570l)の燃料を給油することが可能で、あり、約20-25分でタンクを満杯にすることができる。

大きな空港では燃料はハイドランドと呼ばれる地下に設けられたタンクに貯蔵されており、給油車のポンプを使って燃料の圧力を上げ、機体に給油する方式が一般である。給油車自体には航空燃料を搭載するタンクは装備していない。あくまでバイパスするだけである。

ハイドランドが無い空港では、タンクローリーに搭載した燃料を、そのまま加圧した上で機体に給油するが、大量の燃料を給油する場合には何台ものタンクローリーが必要になる。

給油作業中にタンク内の燃料量を直接知るためには、ディップスティックと呼ばれる計測棒を用いる。最近では計測棒がマグネットによって、燃料のレベルでストップするタイプのものが多く使用されている。

2.飛行機の燃料タンク
燃料は主翼に蓄えられる
大型ジェット機の燃料系統は、主翼内部などにある複数のタンク、地上で外部からタンクへ燃料補給を受ける装置、およびタンクから各エンジンへ燃料を送る燃料供給装置から構成される。このほか、緊急着陸する場合に、機体重量を軽くするための燃料放出装置も備えている。

大部分の燃料は主翼内部に蓄えられる。主翼の中には巨大な空間があり、また飛行機の重心にも近いので、燃料減による重心の移動を少なくできる。まさに燃料タンクとしてうってつけの場所なのだ。センタータンクやスタビライザータンクは、必要のない場合には使われない。 主翼の内部は細かく区切られている。これは翼の内部で燃料が大きく揺れないため。

主翼の反りを防ぐ
旅客機は安定性を増すために、主翼がしなるようになっている。大げさにいうと、飛行中の主翼は、機体前方から見ればUの字を描くように設計されている。

燃料を満載している離陸直後では機体の重量は重い。このような状態で主翼内部の燃料を先に消費すると、主翼は必要以上に反り返ってしまう。そのため、最初にセンタータンクの燃料を消費していく。その後は、機体後方にあるスタビライザータンクを使う。そして最後に残った主翼内の燃料を消費し ていく。こちらも、胴体に近いタンクから順に消費していく。 主翼内部の燃料タンクは、主翼が大きく反り返ることを防ぐ役割もしている。

放出能力もある燃料タンク
操縦室には、各タンクごとに燃料の残量を示す計器をはじめ、各エンジンごとに燃料の供給状態を示す計器やスイッチ、警告灯などがあり、これらの装備はエンジンごとにそれぞれ独立している。

なお、離陸した飛行機が何らかの理由で引き返す必要が生じた場合は、安全に着陸できる重量になるまで燃料を放出しなければならない。B747型機の場合は、両翼端に1本ずつ放出管が備えられており、毎分約2.27tの放出能力がある。 なお給油は飛行場に備え付けの装置によって行われ、大型旅客機でもおよそ 30分もあれば満タンになる。B747の最大燃料搭載量はおよそ174tである。

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