1.あの有名VIPも入国審査では長蛇の列に並ぶのか?
ハリウッドスターが来日すると、その姿をひと目見ようと、ファンが空港に押し寄せる。スターが姿を現すと、「キャー」という黄色い歓声が入国エリアにこだまするのは、ワイドショーでおなじみの光景になっている。
そんなスターたちも、出入国審査では、一般旅客と変わらない手続きを踏んでいる。審査の場所も基本的には一般人と変わらない。入国審査場のカウンターまで行列に並び、パスポートやビザをチェックされたあと、「入国の目的は?」「期間は?」などと審査官に質問されているわけだ。
いっぽう、一般審査場の行列を横目に、別室で審査を終えるVIPもいる。それは外務省から「便宜供与」の依頼が入っている人たち。便宜供与とは、そのままズバリ「便宜をはかる」という意味。とはいえ、べつに怪しい措置ではない。
海外の閣僚クラスなど、公的なVIPを迎えるときなどに、一般審査場の脇にある別室で、特別に手続きを行なうという措置がとられているのだ。
対象となるのは、国から招待を受けている人、公用で出かける人のほか、長時間待つことが困難な障がいのある人など。事前申告することによって、便宜供与を受けることができる。
便宜供与は、外務省のほか、航空会社や空港から依頼されることもある。そのような場合、公的に見て、特別に便宜をはかってもよいかどうかが検討されることになる。
海外に出かけるたびに増えていくのが、出入国審査場でパスポートに押されるスタンプの数。帰国後、そのスタンプを眺めながら旅の記憶をたどった人もいるだろうが、そのスタンプを押してもらうには、出入国審査場の行列に並ばなければならない。誰しも、その時間を短縮したいはずである。
そこで近年、出入国審査の「自動化ゲート」の導入が進められている。成田空港では、第一ターミナルの南ウイングと北ウイング、第ニターミナル南口・北口の出入国審査場に自動化ゲートが設置されているほか、中部国際空港や関西国際空港でも導入されている。
自動化ゲートは、パスポートと指紋の照合によって本人確認を行ない、自動的に出入国手続きを行なえるというシステム。あらかじめ、右手と左手の人差し指の指紋を登録しておく必要はあるが、手続きは意外に簡単。利用登録はフライト当日の空港でも行なえる。
登録手続きを行なっているのは、東京入国管理局のほか、自動化ゲートが設置されている成田、セントレア、関空の出国審査場。登録は10分ほどですむので、フライト前に登録を終えておくといいだろう。
登録がすんだら、ゲートでパスポートをかざし、指を置くだけ。駅の自動改札でSuicaをかざす感覚で出国審査を終えられる。
ただし、自動化ゲートはタッチ&ゴーですむため、スタンプは押してもらえない。
スタンプを集めている人はこれまでどおり、出入国審査場で審査を受ける必要がある。
この記事を見た人は、一緒にこんな記事も読んでいます!