JAL日本航空の歴史や会社の情報・マイレージまで徹底分析
1951年、戦後日本の航空を代表するエアラインとして設立された日本航空。
1980年代には完全民営化、そして2002年には日本エアシステムとの統合を果たし、充実したグループエアラインとともに、
国際線、国内線の両面で日本の航空業界を常にリードしている。
現在は国際線と国内の基幹路線を運航するJALと、地方を拠点に国内線やローカル路線を展開するジェイエア、日本エアコミューター、日本トランスオーシャン航空、北海道エアシステム、琉球エアーコミューターの計6社でグループを構成している。
大阪・伊丹空港を拠点に地方都市を結ぶ路線をボンパルデイアCRJ200やエンブラエルE170などで運航するのがジェイエアだ。秋田や仙台などの東北路線も多い。待望の国産ジェット旅客機MRJもジェイエアが運航する。
日本エアコミューターは拠点である鹿児島と離島を結ぶエアラインとしてスタート。現在はJALのコミューター路線を担い、本州へも路線網を広げている。日本トランスオーシャン航空は1967年に南西航空として創業した。1993年に社名を変更し、現在は那覇をベースに沖縄県内や離島と本土を結ぶ路線で活躍中だ。
北海道の地域航空ネットワークを担うのは北海道エアシステム。2011年3月にいったんはJALグループを離れたが、2014年からふたたびグループに復帰した。2015年5月からは鶴丸塗装のサーブ340も飛びはじめている。
琉球エアーコミューターの拠点は、沖縄の那覇だ。船では移動に時間がかかり過ぎる離島や、ジェット機が就航できない島々を、地域の足として小型プロペラ機で結んでいる。
海外のエアラインとの
コードシェア運航便も含めると、そのネットワークは世界32か国216空港、250路線に達する。
1.ホテルやショッピングでもマイルが貯まるJALマイレージバンク
JALグループの
マイレージプログラム「JALマイレージバンク」。
日本エアシステムとの経営統合に伴って国内線のネットワークが飛躍的に充実した。また「ワンワールド」への正式加盟で提携エアラインが拡大したことで、ますます「マイルが貯まりやすい」「特典が使いやすい」マイレージプログラムになった。提携ホテルやグループ企業のパッケージツアーはもちろん、マイルが加算されるショップも拡大している。
【名称】JALマイレージバンク
【入会金・年会費】 無料(クレジットカード機能付きの場合は年会費が別途必要)
【加算航空会社】JALグループ全社、アメリカン航空、エールフランス、ブリテイッシュ・エアウェイズ、キャセイパシフィック航空、香港ドラゴン航空、中国東方航空、カンタス航空、エミレーツ航空、フィンランド航空、イベリア・スペイン航空、マレーヴ・ハンガリー航空、ロイヤルヨルダン航空、メキシカーナ航空、LAN航空グループ
【無料
航空券必要マイル数】国内線往復は1万2000マイルから。国際線は1万5000マイルで日本/韓国エコノミークラス往復、4万マイルで日本/ハワイ間エコノミークラス往復など国際線のアップグレード、JALグループの航空券、パッケージツアーなどの支払いに利用できるクーポンとの交換など
【無料航空券以外の特典】
【マイル有効期限】 36か月後の月末まで有効
【特典利用対象】 会員本人、2親等以内の親族、義兄弟姉妹の配偶者
エコノミークラス
●設定機種/座席数/座席配列747-400/3-4-3/201~394席、747-300/3-4-3/396~464席、777-300ER/3-3‐3/156,220席、777-200ER/3-3-3/212,239席、767-300/300ER/2-3-2/202~254席、767-200/2-3-2/191席、737-800/3-3/132席
●
シートピツチ…79~86cm
●バゲージデリバリー…普通運賃、JAL
エコノミーセイバーフレックス運賃の旅客のみ指定の場所から空港までの配送サービスあり(ひとり1個まで無料)
●事前座席指定…出発2日前まで可
●空港内ラウンジ…普通運賃、JALエコノミーセイバーフレックス運賃、一部空港でラウンジ利用可
●
機内食…メインディッシュは2種類からのチョイス
●飲み物…ワイン、ビール、日本酒、焼酎、ソフトドリンクなど
●アメニティキット…中、長距離路線ではラバトリー内に歯ブラシを常備
機内販売
機内には免税品販売、通信販売カタログ
「JALSHOP」が備えられている。カタログは前半が機内販売品、後半が通信販売のカタログ高級感あふれるアイテムが多いことでも知られるJALの機内販売だが、一方で、JALに搭乗しないと入手することができないオリジナルアイテムも注目される。また、国内未発売、あるいは国内でも入手困難なアイテムが揃っていることでも知られている。
客室乗務員の企画商品も人気が高い。日本人のニーズや流行に対応し、販売商品のラインナップは2か月ごとに見直されている。JALカードで決済すれば10%割引が受けられるのも特徴だ。なお、日韓路線全便と東南アジア路線の一部の便ではカタログは提供されるが機内販売は行われていない。
2. JALの歴史は戦後日本の民間航空の歴史
戦後日本の民間航空の復興を担う本格的なエアラインとして1951年に設立された日本航空。1953年には国際競争力強化を目的に日本航空株式会社法が施行され、政府が株式の大半を保有する
ナショナルフラッグキャリアに近い企業形態となった。
海外他社の協力を受けて日本航空は、1954年に初めての国際定期路線を開設する。世界の航空情勢がプロペラ機からジェット機へと移行を始める1960年代には、ダグラスDC-8、ボーイング727、コンベアCV-880など、当時の最新鋭機を導入し、あわせて国際線ネットワークの拡充を図った。1970年にはボーイング747を国内のエアラインとしては初めて導入し、ワイドボディ機による大量輸送時代にも迅速に対応している。
「45・47体制」と呼ばれる航空会社
ネットワーク展開の枠組みに縛られてきた国内航空に規制緩和の動きが始まった1980年代にはいると、日本航空は、それまで幹線に限定されていた国際線で新たな展開をはかる。さらに、半官半民状態の経営では限界が見えてきたのでさらなる強化を図るため、
1987年に完全民営化を実現した。国内線でも、東京、小松、鹿児島線をはじめ、地方都市へのネットワーク拡大が図られる。
1990年代後半、国内航空が本格的な規制緩和の時代を迎え、新興航空会社の設立で競合が激化すると、日本航空は、国内三位の規模を誇る日本エアシステムとの間で経営・統合へ向けての協議を開始、2001年に経営統合が発表され、それから約4年を経て事業は完全に統合される。
2007年には世界的メガアライアンス「ワンワールド」に正式加盟。日本発着の国内線、国際線ネットワークの両方で、エアラインをリードしている。
3.JALの機体の塗装はどんな進化をとげてきた
伝統あるJALの「鶴丸」がリニューアルして復活したのは2011年2月だ。
2010年の経営破綻から1年、新生JALの第一歩を踏み出す新しい象徴としてのロゴマークが発表された。
新塗装の初号機となったのは、国際線用のボーイング767-300ERだった。真っ白なボディに、太い黒字で力強く描かれた「JAPANAIRLINES」の社名。尾翼には、日本古来の鳥で、和を代表する文様のひとつである「丹頂鶴」をモチーフとした伝統の鶴丸マークがくっきりと描かれた。
マスコミ各社は「鶴丸の復活」と報じたが、じつは過去にあった同じ鶴丸を再現したわけではない。新鶴丸は旧鶴丸と比較して、翼の切れこみが深くなっている。白抜きのJALの文字は太い斜体を採用し、どっしりとした安定感とスピード感を増した印象だ。この新ロゴのデザイン制作は外部に頼ることなく、すべて社内で行なわれたという。
ここで、全6代にわたるJALの機体塗装の歴史をふり返ってみよう。
日本の空がまだ占領下に置かれていた当時、米国ノースウエスト航空から乗員とともにリースしたマーチン2-0-2の塗装が初代とされるが、これはJALにとってはあくまで暫定的なデザインだったといっていい。1952年に自社運航のダグラスDC-4Bが導入されたときの2代目が、JALの最初の正式塗装である。機体の前部に鶴丸ロゴが入り、窓の部分に赤い2本のラインと青のラインが描かれた。
1970年、初期のボーイング747の導入時に採用された3代目の塗装で、尾翼の鶴丸マークは多くの人たちに知られるようになる。空の大量輸送時代が幕を開けた時代だった。
4代目は1989年の747-400の導入に合わせて採用され、伝統の鶴丸とともに、ボディにはランドーアソシエイツによるロゴが大きく配された。当時の資料には「黒い文字で誠実さ、堅実さを、赤で燃える情熱を、グレーで躍動感・スピード感を表現した」とある。
2002年のJAS(日本エアシステム)との経営統合を機にリニューアルされた5代目は、それまでのデザインとは一変した。「太陽のアーク」として知られるロゴで、ボディには「JAL」の黒文字に太陽をあらわす赤と銀のアークを、垂直尾翼には日の丸のイメージを配置。鶴丸の消滅と同時に「JASのレインボーカラーがなくなるのが寂しい」という声も多かった。
5代目は2010年の経営破綻で役割を終え、その1年後に伝統の鶴丸マークが力強さを増してよみがえった。新しい鶴丸を描いた初号機の767-300ERは、機体を報道陣に披露した2011年2月の午後、ロゴリニューアルを記念したチャーターフライトとして「丹頂の里」として知られる北海道・釧路へ向けて羽田を飛び立っていった。
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